宇宙に命はあるのか/小野雅裕

宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八 (SB新書)』を読んだよ。いつでもどこでも、イマジネーション。

宇宙兄弟(1) (モーニングコミックス)』の表紙に惹かれて、手に取った本書。元々、宇宙モノは嫌いではないので、面白そうなものは必然的に読むことになる。同じことを考える活字中毒の方々はたくさんいるようで、図書館の予約でかなり待ったけど。
筆者はNASAジェット推進所に研究者として勤務する小野雅裕氏。根っからの学者という感じではなく、夢が膨らむ若手研究者という感じかな。

前半は宇宙開発の歴史を人物を中心に語っていく。だから、それが人間ドラマになる。しかも、有名人ではなく、周辺でサポートした人たち。しかも、そういう人たちがある事柄に対して、突出した貢献をしているんだよね。結局、宇宙開発のようなデッカイプロジェクトはそういう人たちの集合のようなものでないと成功は叶わないんだろうね。そして、それらの人たちは、一人ひとりが夢を必死に追いかける人たち。手段を選ばすという場合もあるんだけど。
そんな彼らに共通する能力が想像力(イマジネーション)。

全ての技術はイマジネーションから生まれた。なぜなら、もし全ての人が今存在するものしか見えなかったら、新技術は決して生まれないからだ。目を瞑り、常識から耳を塞ぎ、想像力の目で未来を見た先駆者がいたからこそ、車も、電気も、電話も、飛行機も、ロケットも、月軌道ランデブーも、アポロ誘導コンピューターも、全ての技術が生まれたのである。鳥は翼で空を飛ぶ。人はイマジネーションの力で月に行ったのである。
ということ。ジュール・ヴェルヌの小説がなかったら、宇宙に行くなんて想像も起こらなかったかもしれないね。いや、誰かがそんなことを考えていたかもしれないな…。

後半は地球外生命を探す宇宙探査の話。そして、ここにもあるイマジネーションが存在する。それは、

そこに何かいるのか?
そこに何がいるのか?
その問いの答えを追い続けた人類の、数百年積もりに積もった好奇心が解き放たれる瞬間の、破裂するような興奮なのだ。
ということ。

エピローグでもイマジネーションについて、

もしかしたら現代は、人々がイマジネーションを働かせる余裕に乏しい時代かもしれない。
と筆者。情報がドンドン流れてくる時代に、知らないことを知るためにイマジネーションを働かせるなんて…と思う人は多いかもね。だからこそ、現代はイマジネーションが重要になってくるんだよね。結局、宇宙の話をしながら、イマジネーションがテーマだったのかもしれないなぁ〜。
宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八 (SB新書)
宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八 (SB新書)小野 雅裕

SBクリエイティブ 2018-02-06
売り上げランキング : 7798


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ