日本経済を「見通す」力/伊藤元重
『東大名物教授の熱血セミナー 日本経済を「見通す」力 (光文社新書)』を読んだよ。ちょっと池上彰風。
gaccoの講座「ビジネスエコノミクス」で知った伊藤先生。その軽快な語り口に引き込まれるものがあり、次は書籍をということで本書。多くの著作の中から、比較的分かりやすそうなものを選んだのだけど。
発刊が2015年6月ということで、内容的にはちょうどアベノミクスのステージIからIIに切り替わる頃。だから、アベノミクスの評価と当時の日本の課題への対応をどう考えるかという内容になっているよ。
そのアベノミクスの話の中で出てくる経済政策の正しい手順について、筆者は、
マクロ経済政策において重要なことは、まずは打つ手のある足元の課題から確実に片付けていくことであり、その際に、どの順番で手をつけていくか、正しい順番を考えることです。と言っているよ。王道があるんだよね。課題が大き過ぎたり、多過ぎたりすると絶望的になり、どこから手をつけたらいいのか分からなくなることが多いからね。
そして、産業構造の話題で出てくるのが、日本でビッグデータのビジネス活用が全く遅れているということ。
経産省が危機感を募らせているのもわかりますよね。プラットフォーム型ビジネスを可能にする技術革新が進む中で、日本の産業の付加価値をどう高めていくかが問われているのです。と筆者。これは一つの例でしかなく、産業構造が大きく変わる中で、立ち遅れていく日本…。何とかして、食らいついて行かないとね。
面白かったのは、経済学のグラビティモデル(重力モデル)という考え方。そう、ニュートンの万有引力の法則と同じで、「二国間の貿易量は両国の経済規模に比例し、距離に反比例する」というもの。ビックリだよね。
そういえば、経済学って数学だっていうけど、こんな話を聞くとまさにそうだんだなぁ〜って感じ入る。しばらくは伊藤先生の著作に嵌ってみようかなぁ〜。
東大名物教授の熱血セミナー 日本経済を「見通す」力 (光文社新書) | |
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