準急ながら/鮎川哲也
『準急ながら~鬼貫警部事件簿~ (光文社文庫)』を読んだよ。準急っていう響きがいい。
JRで急行という列車種別が無くなりつつある現在、準急という種別はすでに死語。多分、自分が時刻表を読み始めた時期にはほぼほぼ無くなっていたのではないかと思う。それでも、この小説には新幹線が登場するので、JR的には新幹線の登場以後に無くなり始めたのかと推測できる。
そして、「準急ながら」はその後にどうなったのか?これも自分の推測でしかないけれども、夜行の快速大垣行になり、「ムーンライトながら」になり、その「ムーンライトながら」も季節運行になってしまったのではないかと…。
あぁ、小説の話でした。自分的には再読。やっぱり、10代の時期に読んだのだと思う。その当時に興味を持っていた、推理小説+時刻表+快速大垣行と繋がって、この本に辿り着いたのだろうね。時刻表をネタにした『点と線』も話題になっていた頃だったかもしれないね。
で、本書も時刻表をネタにした推理小説。そして、筆者の鮎川哲也氏は精緻な推理で小説を構築していくことを得意とする作家と言われていたような気がする。代表作は『黒いトランク』らしいけど、鮎川哲也氏の入門として、本書はお薦めかもしれないね。
そして、本書での推理もトリッキーでもなく、なるほどと首肯できるもの。ただ、自分的には残念だった点があるんだけど、それはネタバレになるから書かないでおく。でも、久しぶりに、推理小説+時刻表+快速大垣行の世界を満喫した気分にさせてもらい、十分に満足できる小説でした~。
準急ながら~鬼貫警部事件簿~ (光文社文庫)
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光文社 (2014-08-29)
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