十津川警部とたどる時刻表の旅/西村京太郎
『十津川警部とたどる時刻表の旅 (oneテーマ21)』を読んだよ。『時刻表マニア』から始まった時刻表を読む趣味…。
2012年3月でオリジナル著書が500冊に到達したという西村京太郎氏。いわゆるトラベルミステリー作家としては、現代では第一人者。中学2年の時から時刻表を読む趣味に目覚めてしまったアッシにとって、西村氏の著作を読むのは当然の流れなんだけど、なぜか本書が初めての本。それはあえて手を出さなかったという理由から。たぶん、読み始めれば、片っ端から読み漁り、他の本が手につかなくなることが予想されたから。なんせ500冊もあるんだからね。
で、本書はどうして手に取ったのか。小説ではなく、時刻表マニア本だったから。単発で終わるものなら、中毒になることはないだろうと判断したわけ。
で、本書。
時刻表に書かれている情報を元に、西村氏の取材経験を織り交ぜての鉄道アレコレ。「十津川警部とたどる」という前置きがあるように、その取材の結果を氏の小説に実際で使われたシーンも紹介するという感じ。
例えば、取材の苦労話。
九州新幹線の新800系に乗車すべく、新大阪から「みずほ」に乗り込む。ところが来た新幹線はN700系。新800系は博多からの列車しかなかったのだ。それでも、めげずに新800系の車両だけは取材する。
もちろん新しい車体は取材しなければならない。鹿児島中央駅に着いてから、止まっているところを見学した。読者は鉄道に詳しいから、ごまかすわけにはいかないのである。そう、テツの方々はディテールにこだわる。そのためにも筆者が気を付けなければいけないのは、時刻表をきちんと確認すること。時刻表には何でも書いてある。分からなければ、まずは時刻表を開くこと。これが基本だと説くよ。
それにしても、時代の変遷は激しい。時刻表を眺めるだけでも、日本がどう変わっているのかが読み取れるような気がするんだけど…。
十津川警部とたどる時刻表の旅 (oneテーマ21) | |
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