素数はなぜ人を惹きつけるのか/竹内薫

素数はなぜ人を惹きつけるのか (朝日新書)』を読んだよ。素数に萌え?

数学の中でも数論はその王様的存在と言われているけども、その数論の中のテーマでも王様的な存在が素数。普通の人が素数の存在を知るのは、中学かな?それでも、その素数の定義にふ~んというリアクションだと思うけど、ギョーカイ的には注目されているテーマであることは事実。特に、暗号化技術では素数の性質を応用しているわけだし、これだけ現代に活用されている数学的技術(って言っていいのか?)はないとも言えるかな…。

さて、その素数について、フツーの人たちにその面白さを伝えようと試みたのが本書。いつものサイエンス・ライターの竹内薫氏だけど。とは言え、フツーの人が本書を手に取るだろうかという根本的な疑問はある。自分のような似非数学オタクなら、喜んで手にとるのだろうけど。

そして、話の中心はリーマン予想素数の出現を公式として定義するというもの。それでも、証明されたわけではないから、あくまでも予想。そして、そのリーマン自身はその証明を「今はちょっと置いておく。」と放置してしまったという。はぁ…。

リーマン予想そのものはゼータ関数の研究という方向に向かっていくんだけれども、そのゼータ関数がまた魅力的なもの。原子核のエネルギーをあらわす公式や超ひも理論などの物理の問題にも頻出するという数式。だから、

なにやら、神様が、宇宙の法則である物理学と宇宙を記述する言語である数学に隠した暗号みたいではありませんか。
という風に、ミステリアスなイメージを抱かせる。それがロマンになり、数学オタクを惹きつけることに…。

もうひとつ。宇宙を記述する方程式を研究していると素数が突然顔を出すことがあるという。これについて、

言葉は悪いのですが、ごちゃごちゃした、ある意味汚い現実世界に、美しい天女が舞い降りたような、現実か夢かわからない状況があるのです。
と筆者。あぁ、天女が舞い降りるようなユメウツツ…。でも、やっぱり数学オタクにしか、分からないだろうなぁ~。

素数はなぜ人を惹きつけるのか (朝日新書)
竹内 薫
朝日新聞出版 (2015-02-13)
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