ざっくりわかる宇宙論/竹内薫

ざっくりわかる宇宙論 (ちくま新書)』を読んだよ。ざっくりだけど、わからないところはわからない。

ご存じサイエンスライター竹内薫氏の著。竹内氏の著作はどれもわかりやすいので、愛読はしているけど、今回は後半が抽象的な話になり、結局、わかったようなわからなかったような…。モノからコトへ、研究の対象が変わったということは、よ〜くわかったけど…。

全体は3部構成で、パート1はクラシックな宇宙論ということで、お決まりのコペルニクスガリレオケプラーニュートンという大御所の業績を綴る。その後で、アインシュタインとビックバンが登場して、ここまでが古典的な物理学。お〜、アインシュタインがもう既に古典になってしまったか…。

パート2はモダンな宇宙論ということで20世紀末の宇宙の加速膨張という宇宙論の革命から始まる。
これは、

ビッグバンの勢いだけでは説明不可能な「加速膨張」という現象が明らかになりました。真空中に宇宙全体を広げようとする何らかの「力」があるはずだ。
という結論に至り、アインシュタインの考えたλ定数が復活するということになる。なんとも深い話…。

では、宇宙の始まりに関する最先端の定説は何か?

ビッグバンは宇宙の始まりではなく、ビッグバンの前が量子宇宙で、インフレーションの後にはビッグバンがあった、というのが現在の最先端の定説なのです。
だとか。

パート3はSFのような宇宙論。ここまで来ると一気に抽象的。
超ひも理論の登場だけど、訳わからん。だって、ひもの方程式が数学的に整合性を保つためには、空間と時間を合わせた次元が10次元とか11次元も必要だと言うんだもの。
その帰結が、

実際には我々の宇宙は10次元とか11次元であって、それにもかかわらず、我々が単にそのうちの3次元とか4次元を見ているのにすぎないのではないかというように発想が変わってきた。
となってしまう。その他に、ブレーンという考え方から、複数の宇宙の存在も肯定されてくるし。

いやはや、宇宙論ってスゴイね。モノからコトへの進化なんだけど、今考えられているコトもいつかはモノとして認識され、次の新しいコトが発見されるんだろうね。それを考えると、ますます宇宙論は楽しみです〜。

ざっくりわかる宇宙論 (ちくま新書)
ざっくりわかる宇宙論 (ちくま新書)竹内 薫

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