体感する数学/竹内薫
『体感する数学』を読んだよ。微妙な体感。
サイエンス作家の竹内薫氏の著作。抽象的な科学の世界を分かりやすく解説している竹内氏が数学を体感としてどうイメージされるかを解説した本。
そもそも数学って抽象的なものだから、体感的なイメージで説明するのは無理があるんだけど、そこを何とか無理やりにでもイメージしてしまうところが凄いよね。筆者自身もその無理やり感は認めているところだし。
例えば、どんな体感の世界があるのか。冒頭は「素数」。「セキュリティの高い鍵だ!」という体感なんだけど、これはちょっと???。やっぱり、イメージできない…。
もちろん、イメージできる体感もあるよ。「微分積分」、「二次方程式」、「三角関数」など。う〜ん、これってアッシ自身が多少は理解しているからイメージできるのか…。
まぁ、イメージできなくても、解説があるので、その数学概念を理解できないということではないんだけど。
ということで、体感度合いについては人それぞれなので、ここまでにして、やっぱり数学の魅力は伝えておきたい。
例えば、「極座標」の項で登場するデカルトについて、
デカルトさんは、“考える方法について考えた人”なんですが、これは漠然と見えているものを解析することによって式にするということです。と紹介しているよ。そう、こういうのってメタ的っていうか鳥瞰的なんだよね。数学ってそういう学問。
そして、このように宇宙、自然界を構成するものが行列でできていると捉えて記述する、つまり「宇宙は行列だ!」という考え方のことを「行列力学」と言います。いや、「宇宙は行列だ!」なんて、普通の感覚なら言えないところなんだけど、自信を持って言ってしまうところが凄い。こういう考え方、美しいし、嫌いじゃないんだけどね。
おや?もしかして、「宇宙は行列だ!」って、本書のテーマの体感なのかなぁ〜。
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