理系に学ぶ。/川村元気

理系に学ぶ。』を読んだよ。文系にも学びたい。

「理系」という単語に反応しやすい自分。今までも「理系」を冠した本はだいぶ読んできたような気がする。そこには理系賞賛ではなく、その悲哀とかもあったけど。

本書は同著者の『仕事。』の理系人間版。筆者の川村元気は自らを理系コンプレックスと言うが、世の中を変えていくのは理系人間なのだということに気がつく。そこで理系人間との15人と対話する。さて、その中で筆者は何を見出すのだろうか。

理系の特徴が出た会話を幾つか紹介。
ミドリムシの大量培養に成功した出雲充氏が理系の研究者について曰く、

いろいろな先生を訪ね歩くなかではっと気づいたのは、理系の大学人は論文でも学会でも、成功して結果が出た話しか共有する場がないということでした。効率を上げるという発想がないので、「ミドリムシのここが難しいよね」という失敗談をずっとシェアしてこなかったんです。だから、みんなが似たようなミスを繰り返していて。
うん、これは有りがちな話。研究にも効率という概念が必要だよね。特に、試行錯誤を伴う理系の場合は。失敗事例を実験計画から除去するだけで、その効率が格段に上がるだろうからね。

同じく出雲氏の発言から。

でも、ディズニーランドに行きたい人もいれば葛西臨海公園に行きたい人もいて、そこの傾きが違うというのは微分係数が違うということですよね。ミッキーが好きな人か水族館が好きな人かを積分してプランを作らないと、いいデートにならない。
おっ、これは微分積分の例え話として分かりやすい。こういう例えができるのは理系らしくていいよね。

最後に筆者の言葉から。

理系と文系は「別々の目的」で生きている人間ではない。僕らは「同じ山を違う道から登っている」だけなのだ。
と。だから、頂上では必ず一緒になる。目的は一つでアプローチが違いだけなのだから。でも、その目的ってなんだろ。人生の目的?人類の目的かな?
理系に学ぶ。
理系に学ぶ。川村 元気

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