夫婦で行くイスラムの国々/清水義範

【電子特別版】夫婦で行くイスラムの国々 夫婦で行く旅シリーズ (集英社文庫)』を読んだよ。イスラムに拘る。

清水センセーの著作はパスティーシュの時代から継続的に読んでいるけれども、この「夫婦で行く旅シリーズ」は清水センセーの新境地という感じ。どうして夫婦で行くのかというと、それは清水センセーの奥さんがたまたまインドに行ったことがあったからというのが、その理由のような気がするけど。まぁ、経緯はともかく、夫婦で行くことが何となく普通の旅行記とは違う差別化を生み出しているような気もするし、清水センセーの新境地らしくもあるし。

さて、本書。その内容は文字通りイスラム教の関連のある国々を巡るもの。東はインドから始まって、徐々に西に移動し、アフリカを通過し、最後はスペインに至る。勿論、1回の旅行ですべてを回ったわけではなく、何年もかけての巡る旅。

どうしてインドと思うかもしれないけど、やっぱりイスラム教の影響を受けているのは確かで、それが現在でも遺跡として残っているから。そして、このインド旅行がきっかけでイスラム教に興味を持つことに。

そして、トルコ。ここはやっぱり特徴のある国。

もうお手あげである。ギリシア、ローマどころか、キリスト教関係の史跡まで出てくるのだ。トルコで見えてくるのは世界史なのである。
というわけで、世界史が凝縮した場所がトルコということ。確かに、地理的にも政治的にもそうなるんだろうね。さらに、
私のこの旅行は、初めて本格的なイスラム国へ来て、そこから世界史をのぞく、というような意味あいのものになった。そして、だからこそ今まで見えていなかった世界史の一面が見えてくる、という感想を持った。
とも。これでますますイスラム熱が上がっていくことになるんだよね。

最後に、気になること。イスラム関係の国々は総じてアルコール類の摂取に厳しい。特にイランでは、売ってもいないし飲める場所もないみたい。そんな訳で清水センセー夫妻は、

空港で土産にキャビアを買う気力もなく、私たちはふらふらになって日本に帰り着き、空港のレストランでビールを涙目で飲んだのである。
ということに。あ〜、自分はイスラムには行けないなぁ〜。
【電子特別版】夫婦で行くイスラムの国々 夫婦で行く旅シリーズ (集英社文庫)
【電子特別版】夫婦で行くイスラムの国々 夫婦で行く旅シリーズ (集英社文庫)清水義範

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