小説 ほしのこえ/大場惑

小説 ほしのこえ (角川文庫)』を読んだよ。SF風ノスタルジー

映画『天気の子』が公開されて、本屋に行くとその文庫本が山積み。『君の名は。』で一世を風靡した新海誠の最新作ということだけど、新海氏の原点が本書の原作となったアニメ作品『ほしのこえ』。たった25分だという。
自分的には『君の名は。』を読んだ後は、原点に戻るつもりで、本書を読みたい本リストに登録していていたんだけれども、そのまま放置が続いてしまった。今回の映画『天気の子』を契機にやっと手に取ったというわけ。

物語は2046年から始まる。だから、SF的な背景。主人公はノボルとミカコの中学三年生。だから、ホロ苦な恋愛小説。この時期、基本的には女子の方がしっかりしているから、どちらかというと、引っ張られ気味の男子。同じ高校に進学しようとお互いに思っているが、ミカコは中学を卒業することもなく宇宙に旅立っていく。

原作のアニメは25分という短さだから、この小説よりもう少しコンパクトだったらしい。結末をさらに膨らませてノベライズしたことがあとがきに書かれているよ。アニメを見ていないので、これはこれで良い結末だったと思う。

最後に新海誠の言葉。

学校の友達からも親からも聴くことの出来ない何か大切な「声」が、そういう深夜の時間には耳に届くような気がした。
中高生の頃、深夜に自室過ごす夜。何を考えていたんだろ。自分も誰かの「声」を聞いていたのだろうか。そして、その「声」によって、今の自分の基盤が形成されていったのだろうか。Internetもメールもない時代。深夜ラジオだけが「声」だったけど。

小説 ほしのこえ (角川文庫)
大場惑
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