小説 天気の子/新海誠

小説 天気の子 (角川文庫)』を読んだよ。天気ってなんだろう。

話題の映画「天気の子」のノベライズ版。映画の公開と同時に本書も発売で、この人気ではすぐに読むことはないだろうな…と思っていたら、意外に早く図書館からゲット。本屋でもビニールに包まれている文庫は珍しい。300頁もの小説を立ち読みで済ませる人は少ないだろうけど、それだけ人気ということなんだろうね。

新海誠の作品は映像作品が原作で、同時にノベライズする形がほとんど。映像と小説の違いについては、あとがきで筆者が書いているけれども、小説はディテールを言葉で表現しているけど、映像は絵とか音楽でそれを補完しているということ。だから、映像は人の感性に依存する部分が大きいってことだよね。となると、自分的には小説派かな…。

さて、本書。基本的には、少年と少女の恋愛物語。でも、キーワードが天気。天気というか、気候と言ったほうがいいかもしれない。そして、その気候は人間に対してどうインパクトを与えるのか。特に精神的な側面で。気候を人間が制御するなんておこがましい。だから、

「そもそも天気とは天の気分」と、ようやく咳がおさまった神主が語り出す。
というシーンが出て来るよ。

さらに、気候の影響が社会までも変えていく。ラスト近くの社会の変化は「そうきたか。」という感じ。だから、

「世界なんてさ――どうせもともと狂ってんだから」
という須賀さんの言葉は、ある意味真実を言い当てていると思うよ。天気って地球そのものなんだよね。

おっと、物語の話から外れてしまったかも。もちろん、小説としての面白さも十分に楽しめる一冊でした~。

小説 天気の子 (角川文庫)
新海 誠
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