脳の王国/茂木健一郎

脳の王国』を読んだよ。脳そのものが王国だった。

茂木さん本は久々。本書は『週刊ポスト』に連載されていた茂木さんのエッセイをまとめたもの。『週刊ポスト』というと、なんだがムムムという感じがしないでもないけど、内容はいたって茂木さんらしく、真面目なもの。巻末に内田樹先生との対談も載っていて、ちょっと得した気分にもなれるし。

エッセイだから読みやすい。小難しいことも書いていない。とは言っても、内容はそれぞれに考えさせられるものが多いよ。そして、通底するのは、脳の使い方。脳は使い方次第で高度な能力を発揮する臓器だということ。そして、その使い方の指南までしてくれるのは、茂木さんのいつもの通り。

では、茂木さんは今回はどんなことを言っているのか?
まずは、天才について。

天才とは努力の仕方を知っている人のことである。逆に、努力の仕方を知らないがために、自分の能力を発揮せずに終わったしまう人が世間にはたくさんいる。
と言う。努力することで脳回路が鍛えられ、それが天才的な成果に結びつく。それは、誰でもが天才になることができるということ。脳というはそういうもの。脳のソフトウェアを書き換えることができるんだよね。

そして、今回注目すべきキーワードが「オルタナティブ」。「アンチ」より「オルタナティブ」と言っているんだけど、

反対することだけでなく、全く別の生き方(「オルタナティブ」)を示すこと。しかも、身をもってそれを生きること。「アンチ」から「オルタナティブ」へ。ビートルズの四人は、「もう一つの」音楽の方向、生き方を示したからこそ、今でも輝き続けている。
ということ。反対することは勇気がいるし大変。でも、対案を出すとかと違う視点を示すことはもっと大変だからね。「アンチ」で満足するのではなく、もっと先を見ていかないとね。
さぁ、もっと脳を鍛えないとな…。

脳の王国
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