すべては脳からはじまる/茂木健一郎

すべては脳からはじまる (中公新書ラクレ)』を読んだよ。「多様性」が脳を喜ばせる。

ひさしぶりに茂木健一郎氏。中公新書ラクレから出ているタイトルに「脳」がつく茂木氏の本はシリーズもの?になっていて、元は読売ウィークリーに連載されていたもの。その他、中央公論の時評などに書かれたものをまとまたものが本書。

基本的にエッセイなので、その時々に筆者が思い浮かんだ事柄が書かれているわけだけど、基本的なテーマはまえがきに書かれている「多様性」。「さまざまであること」と「脳」、一見では何の繋がりもないような気がするけど、脳の無限の可能性を考えれば、そこに共通点を見出すことは可能かもしれないね。

おっと、いきなりまとめ的なことを書いてしまった…。では、幾つかその内容を紹介。
人間の知性の「開放性」について、

遺伝子によって行動のほとんどすべてが決まってしまう昆虫や下等動物と違って、人間は学び続ける。「これで終わり」ということはなく、どこまでいっても「その次」がある。「開放性」こそが人間の知性の本質なのである。
と言う。だからこそ、遺伝子によって行動が決められていたとしても、それを使い尽くすことなど不可能であり、よって、遺伝子によって行動が決まっていないことと同等なのであると。うん、これは勇気づけられるお言葉。アッシにも、まだまだ可能性はあるかな。

多様性については、旭川動物園がネタに。動物の見せ方に特徴があるのは有名な話だけど、これは「行動展示」と表現される。動物の行動は予測不可能な方が面白い。つまりは、その行動の多様性を引き出す環境が必要なわけ。

二度、三度と行ってもまた同じ行動が見られるとは限らない。予想もしない行動に出合うかもしれない「行動展示」は、常にサプライズを求める人間の脳に刺激を与え、リピーターを増やすという意味でも一つの技術革新だったのだと気づかされた。
動物にも人間にもよい効果ってこと。

最後に、ワンポイントアドバイス。才能を活かすには「熱中すること」だと。

熱中しているとき、私たちの意識の中から時間が流れているという感覚は消える。そして、何よりも重要なことだが、取り組んでいる対象と自分のあいだの境界が消えてしまう。まるで、自分が仕事そのものになってしまったかのように感じられるのである。
あ〜、この感覚、わかる〜。でも、最近、この感覚、味わっていないなぁ〜。もっと、脳が喜ぶことしないとなぁ〜。
すべては脳からはじまる (中公新書ラクレ)
すべては脳からはじまる (中公新書ラクレ)茂木 健一郎

中央公論新社 2006-12
売り上げランキング : 472468


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ