クオリア入門/茂木健一郎

クオリア入門 ――心が脳を感じるとき (ちくま学芸文庫)』を読んだよ。心とは何かを脳的に考える。

茂木さん本は久しぶり。っていうか、Kindle本でだいぶ以前に購入して積読状態だったんだけど。そう、Kindle本はいくらでも積んでおけるから怖いよなぁ〜。

副題は「心が脳を感じるとき」。そう、いわゆる心脳問題を扱ったもの。文庫版へのあとがきによると若き茂木さんが思いっきり大胆に書き込んだという感じだから、難解な部分が多数。特に「ポインタ」が出てくる辺りから、頭の中が?で埋め尽くされる感じ。それでも、文字を追い続けると何となくこんな感じのことを言っているのだろうなぁ〜という感じにはなってくる。読書百遍ってやつかな…。

本書の出発点については、何度も説明が出てくるんだけど、

私たちは、頭蓋骨の中に閉じ込められつつ、広大な世界と結び付くという、パラドキシカルな存在なのである。このような、私たちの心という存在のパラドックスを解き明かす努力を、脳科学者をはじめとする知的に勇気のある一部の人たちがはじめようとしている。
ということ。思いっきり素朴な疑問だし、しかも「考えてもわかりません!」というレベルの話。まずは、この問題に取り組もうという姿勢に敬意を表したいよね。

しかも、この問題を解決するには、いわゆる「コペルニクス的転換」が必要だと言い、

確かに、ニュートン的な世界観の中には、心の存在を受容することができない。それは、事実だ。だから、心を、ニュートン以来発達してきた自然科学の対象とすることはできないという考え方がある。このような立場には、もっともなところもある。
ニュートン的世界観を否定するところまでいく。これこそ、コペルニクス的転換…。

自分的な結論は、結局心なんてないんじゃないか…と。それでもいいじゃん。あくまでも物質の動きがそうさせているだけなんだし。そう考えると、人間以外にも心が存在すると言ってもいいわけで、人間だけが特別だなんて、おこがましいことも考えなくても済むんだよなぁ〜。

クオリア入門 ――心が脳を感じるとき (ちくま学芸文庫)
クオリア入門 ――心が脳を感じるとき (ちくま学芸文庫)茂木健一郎

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