会社はこれからどうなるのか/岩井克人

会社はこれからどうなるのか (平凡社ライブラリー い 32-1)』を読んだよ。会社を真面目に考えた。

筆者や経済学者の岩井克人氏。編集者のインタビューに答えたものに加筆修正したまとめたものだから、読みやすいのがいいよ。学者の書く経済学の本っていうと最初から構えてしまうけど、本書については全くその必要がなく、一気に読めた感じ。

では、その内容はというと、会社のこれからというより、会社って何なのか?というのを徹底的に考え、筆者の考えを論じたというもの。だから、会社のこれからは、最後の方でちょっとだけ出てくるだけ。とは言え、それだけで十分なくらいに内容的には充実しているよ。

では、会社って何なのか?それを考える前に法人って何なのかという点を考える。ヒトなのかモノなのかという議論から始まり、結論的には会社の二面性を指摘しているよ。つまりは、

法人とは、モノであるのにヒトであり、ヒトであるのにモノであるという、不思議な存在なのです。
ということ。この前提条件から会社の特徴が色々と現れてきて、それが資本主義のあり方と関連してくるわけ。

そして、その資本主義。現代はポスト産業資本主義の時代。それは、

ポスト産業資本主義とは、差異性を意識的に創り出すことによって利潤を生み出していく資本主義の形態です。
ということで、IT革命とか金融改革が生み出され(決して、これらが起こったから、ポスト産業資本主義になったのではない。)、会社のあり方が変わってきていることを指摘しているよ。

さらにさらに、日本独自の歴史とか文化が相まって…と続くわけ。目からウロコとまでは行かないけど、面白い議論をたっぷり聞いたという感じで、満足感いっぱいの読了でした〜。

会社はこれからどうなるのか (平凡社ライブラリー い 32-1)
会社はこれからどうなるのか (平凡社ライブラリー い 32-1)岩井 克人

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