失敗の本質/戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)』を読んだよ。この教訓が活かされているのだろうか。

小池知事の座右の書として本屋の平台にPOPが立ったのは、去年くらいだっただろうか。自分的にはそれ以前から気になっていたんだけど、これを契機に俄然読む気になり、図書館に予約。当然、人気の書になっていたので、半年待ってようやく落掌となったわけ。

副題は「日本軍の組織論的研究」ということで、本書の意図するところは、

より明確にいえば、大東亜戦争における諸作戦の失敗を、組織としての日本軍の失敗ととらえ直し、これを現代の組織にとっての教訓、あるいは反面教師として活用することが、本書の最も大きなねらいである。
ということ。だから、小池知事の座右の書でもあるんだね。そういう自分も反面教師として活用しなければいけないんだけど…。

本書で取り扱っている失敗は、ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦の6作戦。どれも聞いたことがある作戦だよね。これらの作戦を詳細に分析し、失敗の原因を探り出すのが本書の前半部。大量にページ数を咲いているけれども、失敗という視点に特化していることもあり、きちんと整理されているから意外に分かりやすいよ。

では、その失敗の本質とは何か。
目的の不明確さとか、コンティンジェンシー・プランの欠如とか、人事の情緒主義とか、現代でも通用する失敗原因が書かれているわけだけど、最も重要なのは、本質的にはその失敗を繰り返さないこと、失敗を次に活かすという視点の欠如なんじゃないかと。つまりは、

そして、記述したように、日本軍の最大の失敗の本質は、特定の戦略原型に徹底的に適応しすぎて学習棄却ができず自己革新能力を失ってしまった、ということであった。
ということ。ということで、自分的に本書のキーワードはこの「自己革新能力」となったわけ。「変えられない」組織にはなりたくないし、「変えられる」組織にしないとダメだよね。
このどう活かしていくかなぁ〜。
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)戸部 良一 寺本 義也 鎌田 伸一 杉之尾 孝生 村井 友秀 野中 郁次郎

中央公論社 1991-08-01
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