吉野家で経済入門/安部修仁,伊藤元重
『吉野家で経済入門』を読んだよ。メニューが変わる理由…。
吉野家HDの元会長である安部修仁氏と経済学者の伊藤元重氏との対談集。前著として『吉野家の経済学』があるけど、その第2弾という感じで語られているよ。その前著では、牛丼280円の仕組みなどが内容だったみたいだけど、本書はBSE騒動以降の吉野家の変革についてが話題の中心。そう2003年のこと、そんな騒動があったよね。
では、吉野家の強みとは何だろう。安部氏は、
うちの商品に一番適合するように、品質も素材の特徴も価格も量も厳密に仕様を決めること。そして、そのスペックに合うようにきちんと相手に要求すること。それが、うちの特徴的な強味だと認識しています。と言っているよ。当たり前の世界にいれば、当たり前のことなんだけど、それをきちっとやることが重要なんだよね。ここでは外食産業はその辺が曖昧だったとは言っているけれども。
そして、競争相手は誰かという話題に。普通に考えれば、すき家とか松屋なんだろうけれども、そこに顧客という観点を上げる安部氏。
僕は、マーケットと競争相手、需要サイドと供給サイドとの関係を間違えないようにしようという意識は常に持っていました。マーケット、つまりお客さまは吉野家に何を期待しているか、それにどう応えるかを常に考えることこそ重要だと、われわれが着目すべきはその一点であって、けっして競争相手ではないんです。うん、これはすごく重要。ましては業界トップで追いかけられる立場なら、なおさらだよね。
最後に技術へのこだわりについて。吉野家で技術って何?って思ったけど、
うちの現場には、牛肉を盛るときの姿勢がどうだとか、こういう覚悟があるとか、自分こそ一番だという気概やこだわりを持つ社員がたくさんいます。ということ。少しオタクがかったこだわりだけど、こんなこだわりは絶対に必要だと思う。
あぁ、吉野家の牛丼が食べたくなった。しばらく行っていないけど、最近はどんなメニューがあるんだろ。
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