新しい「教育格差」/増田ユリヤ
『新しい「教育格差」 (講談社現代新書)』を読んだよ。結局何だったのだろう。
「教育格差」に惹かれて本書。しかも「新しい」という形容詞付きだから、気になるよね。でも、読後感はイマイチ。内容は既知のことばかりだし、取り上げられている事例も極々ありがちなこと。う〜ん、結局は何が言いたかったのだろうか…。
そうは言ってばかりでは、この記事が成り立たないので、内容を少し紹介。
まとめてしまうと、格差問題というより、学校に起こっているあれこれの問題をなんとか「格差」というキーワードで繋げたという感じかな。そのあれこれの問題とは、ゆとり教育、全国学力テスト、学区問題、団塊世代の定年後の教員不足、校内暴力、いじめ、ジェンダー、貧困などなど。こんな風に単語を並べてみると、学校って社会の縮図でもあるなぁ〜と思えてくる。
最後に、共感した部分について。
本文中でも紹介した、社会心理学者の山岸俊男氏の「安心社会」から「信頼社会」へという発想が、こうした閉塞感を打破するひとつのカギになるだろう。固定化された価値観(集団)の中でもがき続けるのではなく、外に目を向け、他者に対して「信頼」を寄せることが、さまざまな問題を解決する第一歩となるのではないか。とあとがきで述べる筆者。そう、世の中の流れが、他者との信頼をどう構築するかという方向性に向かっているからね。特に日本では今までの基盤であった安心社会が崩れつつあるわけだから。
まずは教育からというところなのかな。最後は無理矢理教育にこじつけた感もあるけど…。
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