UXの時代/松島聡

UXの時代――IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか』を読んだよ。ビジネスそのものの抜本改革。

最近、ビジネス系書籍の量が増えてきた感じがしないでもないけど、今回もその類。IoTというキーワードに惹かれたし、シェアリングにも以前から興味があったから。これからの時代、モノの価値よりコトの価値が重視されると言われ続け、それでもどこまでその拮抗が続き、一気にコトに流れるのか、微妙な時代だからね。

さて、自分的には初耳なUXという単語。User Experienceの略。つまりは顧客体験の時代だと。それを支えるのが、副題にあるIoTとシェアリングという概念。すべてがナンノコッチャという感じだけど、筆者はそれを理路整然と語り、説明し尽くす。
その事例として、登場するのがアマゾン。

たとえば、翌日配達から即日配達、1時間配達など、配達の高速化や、今注文した商品がどこにあるかまでわかる仕組み、電子書籍とその端末「キンドル」の開発など、アマゾンは常にユーザーが驚きや喜びを感じるレベルで新しいUXを開発・提供し続けている。つまりアマゾンは「ネット通販」企業としてモノを売っているのではなく、UXを売っているのだ。
と説明し、さらには「アマゾンはUXを最大化している」とも。そして、UXを最大化する企業が生き残ると。そう、買いたくなる仕組みがUXとも言えるよね。ついついサイトを覗いてしまうし。

では、その為のビジネスモデルが「水平協働型」というビジネスモデル。従来の企業は「垂直統合型」と「垂直統制型」と言われるビジネスモデル。これらの従来型はそもそもシェアリングという概念が構造的に無理なモデル。エアビーアンドビーやウーバーなどの新しいビジネスは、IoTを駆使してシェアリングエコノミーを実現しているわけで、上流から下流へという工程でビジネスが考えられていないよね。あくまでシェアであり、あらゆる人がPtoPで同じレベルで協働して成り立つわけだからね。

さて、そんな世の中が現実化するのはいつなんだろう。どうも、我が日本では壁の高さは否めず。人々の信頼という点でアナログ優勢だし。あと、UXリーダーという人材的な課題もあるよね。でも、世の中が変わっていくのは夢があって、楽しいよね。UXの時代という夢は忘れずにいたいなぁ〜。

UXの時代――IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか
UXの時代――IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか松島聡

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