未来の年表/河合雅司

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)』を読んだよ。日本、最大のピンチ。

少子高齢化問題が日本に突きつけられている課題として認識されて久しいが、何がどこまで対応が進んでいるのかイマイチ分からないという印象。そもそも、少子高齢化の行き着く先は何なのかというのが、よく分かっていないのかもというのが正直なところ。
そこで、今後の日本にどんなことが起きるのか、その予測を時系列でまとめ、その対策の私案を展開したのが本書。だから、副題が「人口減少日本でこれから起きること」になっている。

類書として『縮小ニッポンの衝撃』があるけれども、こちらはすでに現実に起きていることのレポートという感じ。こちらで起きていることが、未来の日本では全国的に起きるということが、本書では納得させられてしまうわけ。

では、具体的にどのようなことが起こるのか。
すでに出生数が100万人を切ったのはご存知のとおりだが、逆に高齢化率は上昇の一途。日本人女性の3人に1人が65歳以上というのが現状。さらに、2020年には女性の半数が50歳以上になるという。これは何を意味するのか。明らかに少子化の加速ということ。もうこれだけでも衝撃的な内容。

そして、高齢者がより高齢化していき、病院、介護施設の不足、年金や診療費の財政的負担の増大、果ては火葬場の不足とか、自治体の消滅とか…。逆に、生産年齢人口の減少により、IT技術者の不足、大学の消滅、社会基盤の崩壊など、大混乱が発生する。

では、どうしたらよいか。筆者は今の政策ではなんの対策にもならないことを出張する。その代わりに、

人口激減後にどのような社会をつくるのか、われわれの構想力が試されている。いまこそ、「20世紀型成功体験」と訣別するときなのである。
といい、「戦略的に縮む」ことを提案しているよ。そう、人口減少は必至なのだから、それに逆らうのはもうやめて、どう縮むかを考えようということ。うん、この発想は正しいと思う。目の前に損得でジタバタするのはナンセンスだからね。さて、戦略的に縮む日本を見届けられるかなぁ〜。いや、見届けてみたいな…。
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)河合 雅司

講談社 2017-06-14
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