ユーミンの罪/酒井順子
『ユーミンの罪 (講談社現代新書)』を読んだよ。やっぱり、罪なのか。
酒井順子氏の新書って珍しい。どうして新書かって考えてみたけれども、それは社会学という捉え方なのかと。そう、ユーミンというアーティストを題材に日本人と日本の社会を捉えるという意味。なるほど、読んでみると、ユーミンとはひとつの社会現象だということが分かるわけ。
おっと、概念的な話になってしまった。では、酒井氏がユーミンをどう分析しているのか?
まずは、「ニューミュージック」というカテゴリの「ニュー」とは何か?それは「瞬間を切り取る」ということだと酒井氏。
何かを訴えるものでもなく、伝えるものでもなく、ぶつけるものでもなく、シチュエーションをそのまま提示するのが、ユーミンの歌。つまりは面や線ではなく「点」だけを示すそのやり方こそが「ニュー」だったのではないか。ということ。そう、そこから何かを見つけたり、感じたりはご自由にどうぞっていう雰囲気はあるよね。押しつけがましくなくて、いわゆる新人類には波長があったんだろうね。
もう一つのキーワードは「助手席感」。そう、車の助手席。特に説明しなくても、この感覚は分かると思うけど。
ユーミンファンの中には、その助手席感に共感する女性も多かったのではないでしょうか。その象徴が「中央フリーウェイ」。とは言え、その後のユーミンは時代の開拓者というイメージもあるよね。その時代時代でイメージを変えつつ、しかしながらこの「助手席感」も所々で顔を出すといったような感じも。
それしても、これだけの曲を分析できたのは凄いこと。これも、酒井氏が中高生の頃から聞いていたユーミンだったから、できたのかもしれないね。そう、苦にならなかったんだろうね。アッシも懐メロとしてユーミンの曲を思い出しながら、読了しました〜。
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