初恋/トゥルゲーネフ
『初恋 (光文社古典新訳文庫)』を読んだよ。ロシア文学は嫌いじゃない。
ロシア文学というとなんだか分厚いものが多いよなぁ〜と思いながら、敬遠気味。さらに、登場人物の名前が長い(読み難い)とか、変わるとかという噂もあり、基本的には手を付けない部分ではあったのは事実。
そのロシア文学で読んだことのあるのは『白夜』のみ。うん、やっぱり分厚さを回避し、薄め。
で、今回のロシア文学も薄めの本書となったわけ。別に薄いから選んだというわけではなく、Kindle本のセールだったような…。以前から気になっていたロシア文学だったということもあるけれども。
主人公は16歳の少年。その少年が恋をする。そう、初恋。相手の女性は20歳。年上だから、余計に憧れる存在なんだよね。だから、彼女に会って、自宅に戻った直後は、
私はしばらくしてから立ちあがり、爪先立ちでベッドに行って、着替えもせずにそっと用心深く枕に頭を載せました。急に乱暴な動きをしたら、自分の心を満たしているものを脅かしてしまうのではないかと心配だったのかもしれません。となる。自分の心を満たしているものは、彼女のすべてっていうわけだよね。分かるわ…。
でも、結末は…。
青春って微妙だよね。だから、
持てる力を、他に使いようがないまま無駄遣いしてしまう、そこにこそ青春の魅力が潜んでいるのかもしれません。と主人公は回想する。いや、その無駄が重要なんじゃないかなぁ〜。無駄に過ごせる時間があるってことはいいことなんだよなぁ〜。
初恋 (光文社古典新訳文庫) | |
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