知らないと恥をかく世界の大問題6/池上彰

知らないと恥をかく世界の大問題 (6) 21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか? (角川新書)』を読んだよ。もう21世紀の曲がり角か…。

このシリーズもあっという間に6作目。過去の5冊ともすべて読んでいるけれども、世の中何も変わっていないような気がする。あっ、変わっているんだけど、その歩みがあまりに亀足なので、それに気がつかないだけなのかもしれない。10年スパンで概観すれば、その変化に気がつくのかもしれないね。

まずは、アメリカとの関係。戦後70年の今年だけど、あの戦争は何だったのかと考えた時に、あの戦争がなんと呼ばれているかでその捉え方がわかる。そう、子供の頃は「太平洋戦争」って習ったような…。でも、あの戦争は中国との戦争も大きかったわけ。だから、最近では「アジア・太平洋戦争」と呼ぶことが多くなっているのだと。なるほど、ある意味でそれは正しい名称かもしれないね。日本が戦った相手は、主に中国とアメリカだったわけだから。

目を転じて、ヨーロッパ。ギリシャも気になるけど、やっぱりロシアの動きは注目。そこで「社会主義」と「共産主義」の違いを確認。

世界がすべて社会主義になれば、争い事がなくなり、国家という概念もなくなり、国境がなくなる。これが究極の理想社会=共産主義です。
なるほど、共産主義ってユートピアなわけで、国家という概念は超越しているんだね。そのソビエトが今のイスラムの問題の発端を作ったということも確認。歴史は繋がっているんだね。

経済格差の問題にも興味。ピケティ氏の指摘する格差の拡大のロジックは、経済成長率は安定すると1〜2%になるなかで、

結果的に一般の人は1〜2%レベルでしか豊かになれないけど、資産を持っている人は4〜5%の成長率で豊かになるので、格差はどんどん広がるというわけです。
ということだとか。社会の成長率の変化が格差を生むとは誰も考えなかったことだよね。

最後に東アジアの情勢について。端的に言って、日中韓の関係なんだけど、池上流の視点は、

そう考えれば、北朝鮮だって中国だって、いまの政治体制が永続的なものであるはずがありません。他国を見るとき、そんな歴史観も必要だと、つくづく思います。
ということ。ベルリンの壁だって崩壊したし、日本だって政権交代があったし…。そういう視点で社会と未来を考えていきたいよね。
知らないと恥をかく世界の大問題 (6) 21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか? (角川新書)
知らないと恥をかく世界の大問題 (6) 21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか? (角川新書)池上 彰

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