キャッシュレス覇権戦争/岩田昭男

キャッシュレス覇権戦争 (NHK出版新書 574)』を読んだよ。電子マネーだけではなく。

いわゆるスマホ決済が普及し始めたのは去年。消費税増税に伴うキャッシュレス還元もその契機になったんだと思うけど、PayPayの還元大キャンペーンも普及に大きく貢献したのだと思う。自分自身も電子マネーは使っていたけど、QRコードは使っていなかったから。

そんなわけで、本書のテーマはキャッシュレス。2019年2月の発刊だから、今となってはちょっと古いという感じもするけれども、最新情報よりもそもそものキャッシュレスの狙いとか、キャッシュレス先進国である中国の事情とかが十分に参考になるよ。
では、その事情とは何か。

中国やインドでは、ATMが近くになく、現金を引き出すのが大変だという理由で、地方からQRコード決済が増えていったという。日本にも同じように、QRコードによるキャッシュレス化が、地方から一気に進んでいく可能性がある。
と筆者。この他にも、都会から来た観光客がキャッシュレスを求めていることなどもあるようだけど、どうなんだろ。未だに日本人の現金への信頼は大きいように思うし、キャッシュレス化への対応がどれだけ売上げに貢献するのだろうか。

そして、もう一方のキャッシュレスの狙いとは。ユーザの利便性はもちろんだけど、その代償としての個人情報の問題。それが、個人の信用情報となり、格付けされていく社会。

プラットフォーマーが国民を格付けし、その格付によって富める者と貧しい者が広がっていく信用格差社会の出現だ。
と。そう、それは既に始まっているんだよね。そして、キャッシュレスにせざるを得ない社会になっていくんだと思う。キャッシュレスとどう付き合っていくか、もう現金は持ちたくなくなってきているのは自分だけではないはず…。

キャッシュレス覇権戦争 (NHK出版新書 574)
岩田 昭男
NHK出版 (2019-02-12)
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