脳はもっとあそんでくれる/茂木健一郎

脳はもっとあそんでくれる (中公新書ラクレ)』を読んだよ。確かに、脳は遊び相手には最適かも。

読売ウィークリーに連載されていたものをまとめたものなんだけど、シリーズ化されていて、4冊目だったはず。シリーズ化されていると最後まで読んでしまいたいのが悪い癖で、ついつい手に取ってしまったのが今回。もっと読みたい本があるのに…。

でも読み始めてみると、引き込まれる文章に加えて、そうそうこの感覚…という首肯する箇所が多数。ということで、「やっぱり茂木さん」てことになるわけ。

特に圧巻なのが、各章の冒頭に置かれた「本章のあそびかた」という書下ろしの部分。このシリーズは毎回この書下ろし部がいいんだけど。

例えば、脳の喜びについて、

振り返ってみると、もっとも喜びを感じるのは、やはり何かを発見したり、思わぬことに気付いたりする時ではないかと思う。その時、世界を見る視点を与える階段を、一歩上がったように感じる。今までよりも広い視野を得る。そして、階段を上る瞬間、一陣の爽やかな風が吹いたような思いを抱くのである。
と説明する。そう、ドーパミンの作用って、爽やかな風なんだよね。だから、疲れも飛ぶし、モヤモヤが晴れ渡る感じなんだよね。

もう一つ、無意識の広大さについて。人間の知るべきことは無意識の分量から比較したらはるかに小さいということ。インターネットの世界だって、無意識の世界までコントロールできているわけでもないし。これに対し、

しかし、より多くのことを知ろうとする試みを放棄してはいけない。一方では明示的な知の体系を志向し、他方では無意識の広大なる知を知る。自然が、人為では把握できないような底知れぬ広がりを持っていることを真摯に受け止める。自然への無意識の共鳴こそが、これからの人類にとっての課題となる。
と茂木さん。うん、無意識から新しい知が生まれるんだからね。無意識を大事にしないと…。

このシリーズ、もう少し続きそう。続きはいつになるか未定だけど、その時もドーパミンが放出される読書でありたいなぁ〜。

脳はもっとあそんでくれる (中公新書ラクレ)
脳はもっとあそんでくれる (中公新書ラクレ)茂木 健一郎

中央公論新社 2008-12
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