旅に出る ゴトゴト揺られて本と酒/椎名誠

旅に出る ゴトゴト揺られて本と酒 (ちくま文庫)』を読んだよ。アッシ的には両立せず。

椎名誠の本を読み始めてから、かれこれ30年以上になるけれども、これだけ飽きもせずに読み続けているのはなぜだろう。思うに、旅、本、酒という椎名誠3点セットがアッシ的にドンピシャだったような…。そして、本書のタイトルはまさにそのドンピシャ。比率的には、本>旅>酒という順序かな。

で、この椎名誠3点セットを巡るあれこれを紹介。
まずは、本を買ったり読んだりすることは都会的なことだと椎名氏。そして、地方を旅する時は必ず何冊かの本を持参して、景色のいいところで読もうと企む。ところが、

都心から引きずってきたなにやら複雑な人間模様の小説や、知りたいと思っていた問題を解くロジックなど、もうとても面倒くさくて改めてそんなところで読書してきっちり取り込もう、なんていう気持ちが失せているのである。
ということになる。さらには、ビールでも飲んでいようぜということにも。うん、ありがちな話。優先順位が突如として逆転するんだよね。

もうひとつ、本の話。
この10プラス1年間で面白かったベスト本の中で、中島義道の『私の嫌いな10の言葉』が紹介されているよ。そこで、

著者の『うるさい日本の私』には感銘を受けた。幼稚な日本を本質的にきちんと分析して、大人の視点から言うべきことを言うという姿勢が素晴らしい。この本でも同様で、わかりやすい哲学の本と言ってもいいと思う。
と解説。お〜っ、ここでアッシの好きな中島義道氏が登場するとは…。そして、椎名誠のデビュー作『さらば国分寺書店のオババ』では、『うるさい日本の私』に通底するものがあるのを思い出した。そういう意味では、椎名誠にも哲学的な意味合いがあるのかも…。また、『さらば国分寺書店のオババ』を読み直してみようかな…。
旅に出る ゴトゴト揺られて本と酒 (ちくま文庫)
旅に出る ゴトゴト揺られて本と酒 (ちくま文庫)椎名 誠

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