参謀/森繁和
『参謀 (講談社文庫)』を読んだよ。落合博満の徹底ぶり。
筆者は2004年から8年間中日ドラゴンズのコーチを務めた森繁和氏。その8年間のドラゴンズは、リーグ優勝4回、日本一1回という優秀な成績だったわけ。勿論、落合監督の手腕や選手の活躍が素晴らしかったわけだけど、監督の右腕として、大車輪だったと言われるのが、森繁和氏、その人。
で、本書はその8年間の話を中心に、ドラゴンズというチームの強さ、落合監督の凄さ、参謀の役割などを語ったもの。
冒頭は、いきなり2007年の日本シリーズ第5戦、幻の完全試合から。当然ながら、山井投手の血マメについて、詳しく書かれているけれども、森氏の視点はちと違う。
今でも思うのは、なぜマスコミは、あのとき、もっと岩瀬のことを褒めてくれなかったのかということだ。と岩瀬のことを言う。そう、アッシもこれには思いっきり同意。完全試合を続けていた山井以上のプレッシャーを強靭な精神力で乗り越えられる岩瀬はやっぱり凄い。一番褒められるのは、岩瀬だと思うよ。
そして、落合監督。情報統制の徹底ぶりは有名だったけれども、それを実感する話題。
一つ目は、2004年の開幕投手に川崎を指名したこと。これには色々な狙いがあったわけなんだけど、その一つが、
チームの極秘事項である開幕投手の情報が本当に漏れないのか、確認していたようなところもあったのだ。ということ。これが事実だとすれば、落合監督の思慮深さに脱帽するしかないよね。
もう一つは、先発投手の指名。前述の川崎投手以外は、筆者が決めていたということ。事前に監督に言わなかったこともあったという。それでも、落合監督は、
「オレが先発知らないんだから、情報が漏れることもないだろう」と言ったとか。先発を聞かされなかった嫌味に聞こえなくはないけれども、落合監督がいかにも言いそうなセリフだよね。
そして、今年2014年度から筆者はドラゴンズに復帰。前半戦の成績は芳しくないけれども、落合流でいけば、まだまだこれからというところ?…と少し落ち着くことができるのも、本書のおかげでした〜。
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