北への旅/椎名誠

北への旅 なつかしい風にむかって (PHP文芸文庫)』を読んだよ。そう言えば、北東北に行ったことがない。

椎名誠の写真+旅エッセイで、アッシの好きなパターン。今回の旅先は北東北。つまりは、岩手、秋田、青森の三県の限定版。ちょっとだけ、津軽海峡を渡った函館の話が出てくるんだけど、主役は本州側なので、函館のいいところは出てこないのはかなりの徹底ぶり。

椎名誠の感じる北東北とはどういうところだろうか。まずは美人。これは彼の写真がモノクロだから余計に感じることかもしれないね。
そして、どこに行っても変わらない風景になってしまった日本に唯一残されたその地方らしさ。逆に言うと変わらなさということだよ。

では、具体的には北東北の魅力をどう伝えているか。
例えば、

不思議なことに、空の高さは、そこに住んでいる人はあまり気がつかない。都会に住んでいると空の高さはいつも同じだと思っていることが多い。
と言い、北東北の空は都会のそれより高いのが圧倒的に嬉しいとも。うん、都会では空を見上げることがそれほどないし、見上げて見える空の範囲が狭いからね。

もう一つは冬の日照時間の短さ。午後は夕方になる時刻が早いと。これを、

そこに住んでいる人は、冬は一日が短くて、とにかく寒くて嫌なもんだ、などと言うが、宿の主人の顔をみると本気でそう思っているわけでもないな、ということがよくある。たとえば酒好きの親父などは、冬の時間が長いぶんだけ好きな酒がゆっくりのめて、冬はなかなかいいもんだ、などという顔を(本当は)している。
と、発展的に説明しているよ。これは逆転の発想だね。都会の人たちには決して起こらない発想かも。

いいなぁ、北東北。車じゃなくて、ローカル鉄道の旅で巡ってみたいなぁ〜。

北への旅 なつかしい風にむかって (PHP文芸文庫)
北への旅  なつかしい風にむかって (PHP文芸文庫)椎名 誠

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