街角で笑う犬
『街角で笑う犬』を読んだよ。退屈しのぎの一冊だったけど…。
椎名誠の写真+エッセイ集。例によって、旅がテーマ。日本各地での出来事を写真と文章で綴る。出掛ける先は、やっぱり南の島が多いかな。
それでも、東京の隅田川に繋がる運河をカヌーで下ったり、椎名誠の故郷・幕張でのクラス会を語ったり、岩手県の水掛け祭りに出掛けたりと。
小さな本なので、今回はアッシが気に入った写真と文章を幾つか引用。
テトラポッドの前で小さな子供に泳ぎをおしえている若いお母さんがいた。子供は両手で支えられ、熱心に足をバタつかせ、お母さんがしきりになにか励ましているようだ。いつかどこか遠くの記憶の中で見たようなやさしい風景をぼくは遠くから二百ミリの望遠レンズで追っていた。という文章と写真。写真が特にいい。お母さんのやさしさがジワッと伝わってくるような…。
伊豆の浜辺では、猫と遊んでいる女の子。
それにしても秋のはじめの猫と少女というのは、随分もろくて切ない存在のようで、さりげなく用心深く、そのはるかうしろ側を通りすぎていくことにした。水掛け祭りでは、
水かけ祭りには太鼓も神輿もお神楽もないので、ハダカ男たちが行ってしまうとなんだか町はあたり一面困ってしまったようにほんのすこししんとした。久しぶりに精神の緊張を伴わずにも済んだ読書。それでも、心に沁みる文章を見つけると嬉しいものです〜。
街角で笑う犬 (新潮文庫) | |
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