沸騰! 図書館/樋渡啓祐
『沸騰! 図書館 100万人が訪れた驚きのハコモノ (ワンテーマ21)』を読んだよ。図書館がこれだけ注目されるとは…。
筆者は佐賀県武雄市市長の樋渡啓祐氏。ちょっと前までは知る人ぞ知るという感じだったんだろうけど、この武雄市図書館の改革の件で、一躍全国区になった感があるよね。
で、本書はその武雄市図書館の改革の様子をを市長自らの手で書いたもの。ご存知のように、反対意見多数のため、一筋縄ではいかなかったわけだから、その攻防は読み応えがあるよ。
ということで、まずは樋渡市長の政治手法。与党会派議員への根回しについて、
事前に説明するのは、賛成誘導が目的ではなく、前提条件を揃えるためだ。と言っているよ。そう、前提条件が揃っていない為に、無駄な議論が展開されるのはよくあること。確かに根回しって、本来そうあるべき行為なんだろうね。
そして、武雄市図書館の指定管理者として契約したCCCについて。随意契約の是非について、議論が紛糾したよね。市長の説明は、
私たちとすればものすごく思いのあるところというのはー結婚なんか公募しませんよね。僕なんか、妻にお願いにお願いを重ねましたよ。と非常に分かりやすい例え。代官山蔦屋書店でビビビッと来たんだよね。
最後に、樋渡市長が図書館業界の関係者に言いたいこと。そのひとつが、利用者の定義のズレ。樋渡市長の考えは、
利用者も僕や武雄市図書館の現スタッフは本を借りる人だけを大事にしようとは思わない。勉強のために来る高校生も、ふらっと来るだけの観光客も、資格試験の勉強をするために来た社会人も、長く滞在してゆっくり本を読む人も、本を借りる人でなくても、それぞれ利用者として大事にするべき、と考えている。というものだけど、図書館業界の関係者は、管理者側の視点で視察をすると言う。うん、図書館魂が染み付いているんだろうね。両者の視点から議論できるのが、ベストだよね。
武雄市図書館、行ってみたいな。おっと、その前に代官山蔦屋書店か…。
沸騰! 図書館 100万人が訪れた驚きのハコモノ (ワンテーマ21) | |
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