宮台教授の就活原論/宮台真司

宮台教授の就活原論』を読んだよ。就活っていかにも社会学的。

宮台先生の著書は難しい印象があったけど、テーマが就活だし、原論となれば本質は何かという議論も聞けるという期待もあり、つい予約。そう、予約が必要だったということにも、ある種の驚きがあり、就活って社会的にも関心が高いんだろうね。それとも、宮台教授の人気?

ということで、本書はタイトル通り、就活マニュアル本の様なテクニカルな話ではなく、まさに本質論。就活に入る前に読んでおいた方がいいかも。そう、ギャップタームに読むのがタイミング的に一番いいかも。あと、採用側の企業の人事担当者も読んでほしい感じ。

もう一つ、本書の特徴。読む終わって、改めて目次を見ると、そこに全てが書かれている感じ。普段、目次を確認しないアッシとしては、本書の目次はいい感じに思えるよ。

では、その本質とは何か。
まずは、「適応」と「適応力」。今までの企業は「適応」を求めていたけど、今の企業は「適応力」を求めているのだと。

言い換えれば、変わらない社風に「適応」することではなく、提供する製品やサービスに伴って変化し続けるかもしれない社風についてきてくれる「適応力」を求めざるを得ないのです。ここで大切なのは、「適応」と「適応力」が全く異なるものであることです。
そう、現代の企業は10年後には今と全く違う製品やサービスを提供しているかもしれないから。これもおしなべてグローバル化の波と言えるかも。そういう意味でも、仕事が「自己実現」だなんて、あり得ない。もっと言うと、自分にピッタリの仕事なんてないわけで。

そうなると当然無理が出てくるわけで、ストレスも溜まる。そのためにも、

だとすれば、働く人間たちは、自分の力で社会の中にホームベースを作っていくしかないと思います。
と宮台教授。会社がホームベースだった時代があったけど、目まぐるしく変化する社会において、それは無理な話だよね。

最後に、折角なので面接でのテクニック的な話。

「テクストから身を外し」て「コンテクストに耳を傾ける」ことが大切です。相手の言うことに文字通り反応する限り、呑まれてしまいます。
緊張状態は、文字通り真に受けてしまうんだよね。文脈を考える…就活に限らず、いつでも使えそうなテクニックだよね。アッシも交渉術として取り入れていこ。
宮台教授の就活原論
宮台教授の就活原論宮台真司 石黒正数

太田出版 2011-09-17
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