1000%大学活用術/花岡正樹
『年齢不問! サービス満点!! - 1000%大学活用術 (中公新書ラクレ)』を読んだよ。地域・社会貢献事例集。
この大袈裟なタイトルで、副題が「年齢不問!サービス満点!!」だし、ちょっと怪しい感じじゃないか?と訝りながらも、つい手にとってしまったアッシ。こういうタイトルの本って、大概は面白半分で、タダなら利用してやろうというスタンスのものが多いからね。
ところが、ちょっと予想に反し、以外に真面目な内容。大学の事情もよく分かっているようだし、なんとなく好感も持てる。
ということで、どんな利用術なのか、本書に書かれている幾つかを紹介。
全体で二部構成。第一部は「大学を学び尽くす」編。
その中の一つが、大学図書館の所蔵資料の公開。ここでは、筑波大学付属図書館の事例が書かれているよ。そして、
利用希望者を受動的に受け入れるだけでなく、能動的に情報を発信していく。筑波大学附属図書館の姿勢に、貴重な資料を多く所蔵する大学図書館としての自覚と自負、そして可能性を強く感じました。と筆者。そう、どの大学も凄い蔵書数を誇っているのに、その利活用についてはどうなんだろ?って思っていたところだったので、アッシ的にはドンピシャのコメントだったよ。
早稲田大学のワセダクラブの事例でのコメントもアッシ的にはピンと来るもの有り。
大学というと学問や研究分野にばかり目がいきがちですが、大学の持つ資産はそれにとどまりません。高い志とそれを活かす術さえあれば、大学は思わぬ分野から社会を変えていく可能性を持っています。と。施設設備だけでなく、その中で活動する学生・教職員も一つのリソースになるんだよね。
第二部は「大学を遊び尽くす」編。芸術、スポーツ、学食などが紹介されているけれども、アッシの琴線に触れたのは、東京外国語大学の学園祭・外語祭。学園祭のテーマは毎年変わる大学が多いけど、外語祭は「専攻の研究を活かした学園祭」という不変のテーマだという。つまりは、
「東京外大の学びを前面に押し出した、ここにしかない学園祭」。と外語祭実行委員会の広報局長談にあるように、学びの成果の発表の場なんだよね。本来の学園祭ってそういうものなんだろうけど…。
本文に何度も出てくる言葉が「大学の可能性」。そう、これだけのリソースがあれば、色々な可能性があるよね。それを活かしきれていないのが今の大学。いや、これからドンドン変わってくるんだろうけど。期待してみようよ。
年齢不問! サービス満点!! - 1000%大学活用術 (中公新書ラクレ) | |
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