ワールド・カフェをやろう!/香取一昭,大川恒

ワールド・カフェをやろう』を読んだよ。ひとつのパラダイムシフト。

去年、アッシの周辺ではちょっとしたワールド・カフェブーム。ワールド・カフェ入門から始まって、その応用としてIRや危機管理をテーマにしたワールド・カフェに参加したり。ワールド・カフェそのものは難しくないし、やってみると楽しいので、結構はまったかも。
ということで、一応まとまったものを読んでおきたいという思いで、本書。ワールド・カフェに関する本は、それほど多くは出ていないので、入門編としては、この本以外に選択肢はないかも。本格的に読むには、ワールド・カフェの発明者の書いたもの読むしかない感じ。

では、本書の内容。
序章では、ワールド・カフェについて、その歴史から始まり、全体を概観する。そこで目に留まったのが、

海外に目を転じると、ワールド・カフェは「学習する組織(未来を創造する能力を強化し続ける組織)」に関連する研究者、実務家などから幅広い支持を受けて世界各国で行われてきています。
という一文。キーワードは「学習する組織(ラーニング・オーガニゼーション)」。このキーワード、アッシ的には『最強組織の法則』を読んでから、ずっと気になっている言葉。学び続ける組織でなくてはいけないって。そのためにもワールド・カフェの手法が使えるんだよね。

中盤は、ワールド・カフェの準備から実施方法までと実務的な話題。その後は一般的な事例とか、応用事例など。

後半は、ワールド・カフェに伴う思想的な側面の話。
まずは、ワールド・カフェはディスカッションではなくダイアログであるという点。

両者の最もきわだった違いは、ディスカッションが相手を論破して自分の考えを通そうとするのに対して、ダイアログでは相互理解を深めようと、相手の考えの背景を理解しようとする点にあります。
と説明しているよ。ワールド・カフェは結論を出す必要がなく、結果的にお互いを高めあることができるのは、このダイアログの実践によるものだんだろうね。

もうひとつは、前述の「学習する組織」に関すること。

これからは、知識の創造を一部の専門家が担うのではなく、皆で相互作用を積み重ねることによって、知識を共創し共有していく時代になると説明しました。
そう、これってまさにインターネットの時代を象徴する言葉。誰でも知識は得られる時代に足りないものは何かと言ったら、そこから生まれる集合知とかコラボレーションによる新たな価値だよね。これって、どこかに本にもたくさん書いてあることだけど、こういう時代だからこそ、ワールド・カフェが今の時代に出現して来たんだろうね。
ワールド・カフェをやろう!
ワールド・カフェをやろう!香取 一昭 大川 恒

日本経済新聞出版社 2009-11-13
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