Facebook 世界を征するソーシャルプラットフォーム/山脇伸介
『Facebook 世界を征するソーシャルプラットフォーム (ソフトバンク新書)』を読んだよ。テレビも意外に頑張っている。
著者の山脇氏は在京テレビ局の社員。その著者がニューヨーク大学院に留学していた際に出会ったfacebook。そこを出発点として、facebookのあれこれを紹介するのが本書。
アッシ的にはこのところfacebook研究が進んでいるので、前半のfacebookそのものの話については、それほど目新しい事実は無し。
後半から、fecebookの凄さが紹介されてくるよ。例えば、ファンページの話。
たとえば、あなたがファンページの管理人だったとしよう。管理人画面の「インサイト」という項目を見れば、ファンの性別、年齢層、国、市区町村、言語、リンク先(どこのサイトから訪れたか)、どの記事がどれだけ見られているか、コメントはどれくらい寄せられているかが、一目瞭然になっている。これはまさにターゲティング広告の最終到達点。今まで、このターゲティング広告を打とうとすると、必死にユーザ情報を集めなくてはいけなかったのだが、facebookではユーザが自ら情報を提供してくれている。しかも、実名で。ユーザにとってもメリットがあるわけで、自分の必要な情報がfacebookに来れば届いている。
もうひとつは、Googleとの関係。facebookのメッセージ機能は便利。メールより手軽に送れるから。これは完全にGmailキラー。さらにfacebook内のコンテンツは、Googleが収集できないコンテンツを増やすことになるわけで、すべての情報を収集するという世界制覇を夢見るGoogleの野望は足を引っ張られる。
さらに、ソーシャル化という概念。
これは、ソーシャルメディアのキーワードだけど、マーク・ザッカーバーグの言葉「これから5年以内に、ほとんどの産業はソーシャル化するだろう」はこれを象徴しているよね。これは社会を変えていることにもなりそう。被RTや被「いいね!」は『共感社会』が見えてきているとも言っているし、個人ブランディングの時代でもあるというわけ。こんな状況に対するマーク・ザッカーバーグのメッセージは、
Get on the bus!!(バスに乗り遅れるな)と。焦らないとまずいかぁ〜。
最後はテレビとの関係。テレビもソーシャル化するとどうなるのか。オンデマンドとは違うよね。
そしてフェイスブック上で優良なコンテンツ=テレビ番組に出合い、それを友達とシェアすることで、再びテレビが見られるようになっている。番組によっては、ファンページに千万の単位のファンを抱え、それ自体が新たな「マス」を形成しつつあるものまである。インターネットの隆盛で、既存のメディアは押されつつあるけれども、紙媒体のメディアより、テレビはインターネットメディアと相性はいいのかもね。まだまだ、facebookから、目が離せないね。
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