フェイスブック 若き天才の野望/デビッド・カークパトリック

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)』を読んだよ。この若さでこの信念…。

『facebook』に引き続き、facebookもの。500ページ以上の本だから、この年始年末くらいしか読む時間はないので、図書館からの予約貸出しのタイミングとしてはちょうど良かったかも。ということで、読み終えるまで2週間近く掛ったけど、それなりの大作で、以前の『facebook』では、「facebookの躍進の理由は分からない…。」と書いたけど、本書では、よ〜く分かったような気がするよ。それが冒頭に書いた「信念」という一言で表現されるかも。

その「信念」とは何だろうかということになるけれども、2004年2月4日にマーク・ザッカーバーグが、thefacebookを立ち上げた時から、その信念なるものは存在したような。それは、

ザッカーバーグにとっては、ザ・フェイスブックを面白いプロジェクトにしておくことのほうが、儲かるビジネスにするよりずっと重要だった。その後も、ザッカーバーグのこの言葉は、フェイスブックの長からぬ歴史を通じて響き続けることになる。
と表現されているよ。そう、儲けることよりも、進歩すること、成長することを優先するという信念。この後も、幾多の困難が待ち受けているけれども、この信念があったからこそ、facebookがこれだけ大きくなったんだろうと思うよ。

幾多の困難のうちの最初はアイデアを盗まれたと訴えられたこと。これは『facebook』に書かれていたけれども、実はこれはその後の困難に比べたら、何ともかわいい困難でしかないよ。

その後の困難は、ユーザ数の急激な増加に伴うサーバ拡張作業に追われること、投資家による買収話が何回も持ち上がること、サーバ拡張に伴い資金調達問題など。特に、資金調達問題は、ビジネスモデルが考えられていない状態で、ユーザ数が急速に増大していったから、まさに火の車状態だったようで…。それでも、目が眩むような金額を提示された買収に応じることはせず、「信念」を貫き通すことになる。

もう一つは、プライバシーの問題。
今でも、フェイスブックに情報を載せることに抵抗がある人が多いと思うけど、それはフェイスブックにとっては、何度も繰り返し議論してきたことなんだよね。何度も問題が起きたし。それでも、ザッカーバーグは「社会の透明性・オープン性」という信念を持ち続ける。ザッカーバーグ曰く、

「もっとオープンになって誰でもがすぐに意見を言えるようになれば、経済はもっと贈与経済のように機能し始めるだろう。贈与経済は、企業や団体に対してもっと善良にもっと信頼されるようになれ、という責任を押しつける」
と。

この「贈与経済」もキーワードだけど、フェイスブックが大きくなり巨大化するに従って、社会との関係も見えてくるわけで、単なる技術者の域を超える。それでも、あのザッカーバーグの信念は揺るがないわけなんだけど、それが通用するってことは、ザッカーバーグの先を見る目というか洞察力には驚くべきものがあるってことなのか。やっぱり、目先のことに囚われては、大きな仕事は出来ないんだよね。正月早々、含蓄のある話にまとまって、今年もいい年にしなくてはいかんなぁ〜。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)デビッド・カークパトリック 小林弘人 解説

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