3.11以後/茂木健一郎,竹内薫

3.11以後 (中公選書)』を読んだよ。自分自身は何が変わったのだろうか…。

茂木先生と竹内薫氏との対談集。サイエンスライターの竹内氏と茂木先生は東大での同級生。アッシ的には茂木先生は久しぶり。ツイッターはフォローしているけど。

では、どんな対談だったのか。タイトル通りなんだけど、2010年3月11日に発生した東日本大震災以後、日本がどのように変わったのか、あるいは変わっていくのか、そしてどうあるべきかを論議しているよ。

では、具体的にどのような論議だったのか。
東大では、二人とも物理学科だったこともあり、科学的な側面からの論議が前半戦。茂木先生、竹内氏とも、福島第一原子力発電所の事故以降の反原発という論調に疑問を呈す。それの指摘は、その論調が科学的でないことに対するもの。そう、例えとして分かりやすいのは、飛行機と自動車のの事故件数の比較。事故発生率は圧倒的に飛行機の方が少なく、そう意味で自動車より安全性は高いと言っていいはず。それでも、自動車に乗りませんと言う人はまずいないよね。それが原発にも当てはまるという訳。確かに一度事故が起こるとその影響は甚大だからね。そこが問題なんだろうけど。

後半は、震災の直接の影響からは離れて、社会の話題。あえてまとめてみると、日本のあり方といえるかも。
アッシ的には、イノベーションの話題が気になる。日本人に生真面目さというか、ルールに則った考え方って、イノベーションを起こしにくいんだよね。アメリカも中国もまずはやってみよう。ダメだったら見直そうという事後調整型。茂木先生曰く、

イノベーションというものは、「みんなで一丸となって起こす」のではなく、それぞれが独自でやることによって、自由競争が起きて、その結果、生まれてくるものだと言っていいでしょう。「ルールに則って、みんなでやる」ではなく、個人が勝手に「まずはやってみる」でないと、結果として良質なものは出てこないのです。
と。マーク・ザッカーバーグも違法行為すれすれのところで、facebookを始めているんだよね。既存のルールをベースに考えてたら、イノベーションは起きないね。

最後は、インターネット。
ここでは、「身体性」がキーワード。茂木先生や養老先生が繰り返し使っているキーワードだよね。インターネットに規定されて身体性を失った現代。3.11以後もそれは変わらないような気がするけど、身体性との関わりで、インターネットを考えていかなくてはいけないんだろうね。

3.11以後 (中公選書)
3.11以後 (中公選書)茂木 健一郎 竹内 薫

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