科学的とはどういう意味か/森博嗣
『科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)』を読んだよ。科学って石橋を叩いても渡らない…。
“科学”という単語に反応するアッシ。本書もそんな勢いで図書館に予約してしまった本。結果的には、面白かったのでよかったけど。っていうか、新しい作家を知ってしまって、読みたい本が増えたってことだけど。
さて、本書。よくある科学本は「科学ってこんなに面白いんだよ。こんなに世の中の役にたっているんだよ。だから、もう少し興味を持ってみようよ。」調のものが多いけど、本書はそこまで強制的ではない。どちらかというと、「科学を知っていないと損をすることがありますよ。」という感じの脅迫調。
では、どうして科学嫌いが多いのか。難しいことは分からないと最初から判断してしまう思考停止状態の蔓延していると筆者。知識を得るだけの文系科目と違い、考える必要がある理系科目は、勉強の仕方が分からないということになりがちだし。
さて、科学の成果は何か?
科学が成し遂げた最大の成果は、人間界と神聖界があるのではなく、宇宙のどこでも、同じ法則が成り立っているらしい、という知見である。と筆者。この「らしい」という単語がいかにも科学っぽいところ。安全性を求め、慎重に判断する。科学のこうした厳密さがアッシ的には好きだったりして。
そして、筆者が一番言いたいこと。
科学を無視していると、それは確実に不利益を招き、危険も大きくなる。気持ちの問題ではなく、もっと現実的、物理的、つまり科学的に「しっぺい返し」を食うだろう。ここがまったく違う。何故なら、現代社会は、古代から中世のように宗教の上に築かれているのではなく、既に完全に科学の上に成り立っているからだ。この認識を現代に生きている人たちは持たなくてはいけない。と。
日常的に、携帯電話やPCを使っているのに、科学は分からないで済ませる訳にはいかないんだよね。思考停止はしたくないなぁ〜。
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