アフリカで誕生した人類が日本人になるまで/溝口優司

アフリカで誕生した人類が日本人になるまで (SB新書)』を読んだよ。ネアンデルタール人ホモサピエンスに進化したんじゃなかった…。

ホモサピエンスがどこで生まれて、他の種とどのような関係になって、どのように世界中に拡がっていったのか、そして、日本人はどこから来たのかを解説した本。珍しく題名と内容が合致。
最近流行のDNAからの分析ではなく、骨の化石を資料としているから、オーソドックスなアプローチ。こちらの方が理解しやすいってこともあるかも。

で、本書。
冒頭は人類の起源について。猿人、原人、旧人、新人…いろいろなヒトがいるけれども、その違いを解説。それぞれに骨の化石が出ているから。何が違うのかと言われれば、それはやっぱり脳。直立二足歩行とか食料とかの影響が強いけど、脳の大きさが違うよね。なぜ、大きくなったかと言うと、それは脳を使わざるを得なかったこと。脳を使わなければ、生きられなかったから。逆に言うと、ホモサピエンス以外は、脳を使わなくても、生きていけたんだよね。

では、人類はアフリカ人とヨーロッパ人とでは、外見が異なるのはなぜか?ホモサピエンスの誕生は大進化であり、それ以降の進化は小進化であるという考え方。環境適合という意味合いが強いかも。例えば、人間の寒冷地仕様とか。日本人も当然その影響が受けている結果な訳で。

さて、一番興味がある日本人はどこから来たのかという話。
大雑把にいうと、縄文人は南方から、弥生人は北方からだけど西日本から日本に渡って来た。そして、弥生人縄文人と混血しながら、徐々に東日本に向かって範囲を広げてきたという感じじ。だから、縄文人弥生人の関係は、縄文人が進化して弥生人になった訳ではなく、入れ替わった関係なんだよね。旧人と新人の関係と同じだよね。

最後はこれからの人類はついて。

私たちを取り巻く環境は、これからも変わっていくでしょう。<中略>しかし、これからの人類が、自らの体を大きく変化させて環境に適応することは、もうほとんどないでしょう。私たちは知恵を使い、道具を進化させることで、環境に適応していくのです。それは、言い換えれば、知恵をどのように使うかで、人類の未来が変わっていく、ということでもあります。
と筆者。何が言いたいかといえば、やっぱりヒトは「脳」。逆にいうと、脳の限界が人類の限界なんだろうね。脳を使わなくちゃ〜。
アフリカで誕生した人類が日本人になるまで (ソフトバンク新書)
アフリカで誕生した人類が日本人になるまで (ソフトバンク新書)溝口 優司 蔭山 敬吾

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