フリー/クリス・アンダーソン

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略』を読んだよ。無料の魅力には敵わない。

2009年11月月の発刊だけど、アッシが本屋で見かけたのは、明けて2010年だったと思う。このタイトルを見て、ピンと来たのは、「無料」という言葉。Googleを代表とするInternetサービスは、なぜ無料なのかと常々考えていたから。確かにGoogleのビジネスモデルを分析した本を読めば、納得できるのだけど、最後の最後まで腑に落ちているわけではなかったから。
だから、本書がアッシのそんな疑問を少しでも解消してくれれば…という思いから、手に取ったわけ。

さて、「フリー」にはどんなものがあるのだろうか。身近な事例を出せばキリがないし、その事例から自分なりのビジネスモデルを考えることもできるよね。そして、21世紀のフリーの特徴が「ビット経済」に基づいているということ。この「ビット経済」と対になる単語として、「アトム経済」という単語を使っているけれども、要はモノからデジタルへの移行ということ。そして、この「ビット経済」が、フリーに重要な役割を演じるよ。
筆者曰く、

アトム経済における無料とは、何かほかのものでお金を払わされることで、まるでおとり商法のようだった。結局はお金を払わなければいけないのだ。しかし、ビット経済の無料は本当にタダで、そもそも金銭がその方程式から取り除かれていることも多い。
と。この言葉だけで直感的に分かるような気もするよね。つまりはデジタル化による複製のコストがゼロとなり、大量の無駄が気にならなくなること。例として、ハードディスクの中身のゴミを整理するより、ディスクを増設した方がコスト的には有利だとか。そう、いくら通知しても、共有フォルダのゴミは増えつづける一方だけどね。

そして、無料になることで、私たちは価値の考え方も変わっていくのかも。経済的な価値に代わる何か。ちょっと長いけど、引用。

ウェブの急成長は、疑いなく無償労働によってもたらされた。人々は創造的になり、何かに貢献をし、影響力を持ち、何かの達人であると認められ、そのことで幸せを感じる。こうした非貨幣的な生産経済が生まれる可能性は数世紀前から社会に存在していて、社会システムとツールによって完全に実現される日を待っていた。ウェブがそれらのツールを提供すると、突然に無料で交換される市場が生まれたのである。
うん、ウェブの社会的インパクトって凄いものだよね。

本文の途中で挿入されるコラムもよいし、最後にまとめがあるのもよい。ちょっと繰り返しのようで、冗長的な本文だけど、「フリー」を理解するためには、必要な説明なんだろうね。
発刊当時は、ウェブから本文が無料でダウンロードできるサービスもあったとか。でも、さすがにこの分量をモニタで読む気にはならないよね。それも、無料マジックだったのかなぁ〜。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略クリス・アンダーソン 小林弘人

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