一九八四年/ジョージ・オーウェル

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)』を読んだよ。1984年って、もう30年も前…。

本書は1949年に発表されたジョージ・オーウェルの長編小説。ジョージ・オーウェルといえば、アッシの読んだものとしては『動物農場』があるけれども、テーマとしては同じかも。そのテーマはいわゆる全体主義『動物農場』はそれを動物が経営する農場として表現したわけだけれども、本書は人間界の近未来を予言したものとして表現されているよ。

全体としては三部構成。第一部は主人公のウィンストン・スミスのモヤモヤ感。つまりは、この国の全体主義に対する抵抗感を綴る。第二部はジュリアに出会うことで、その抵抗を実際的な活動に結びつけていく。そして、第三部は…。
これ以上書くと完全なネタバレになってしまうから、ストーリーの話はここまで。

途中で主人公が読む『寡頭制集産主義の理論と実践』という本の内容と附録の『ニュースピークの諸原理』も完全に小説の一部になっているのも、この小説の特長。アッシ的には、本文よりもこの両者の方が楽しく読めたりもする。

そして、全体主義についてどんな風に考えたらいいのかもよく分かったんだけど、小説としての面白さは主人公の思考そのものにあるんだよね。常に考えて、そつ都度葛藤する主人公。その思考を追うことは、アッシの思考もフル回転するわけで、頭を使う小説ということで、非常に楽しめる一冊でした〜。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)
一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)ジョージ・オーウェル 高橋和久

早川書房 2009-07-18
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