世界がわかる理系の名著

『世界がわかる理系の名著』を読んだよ。「理系」という言葉に弱いアッシ。

「理系」というタイトルに引かれて、何となく気になっていた本。最近、同著者の『火山噴火』なども読んでいるし。「理系」っていうか「科学」なんだけど、アッシのような人間にはキャッチするタイトルかも。

本書の内容はタイトル通り。世界の科学本14冊を紹介したもの。著者(科学者)プロフィール、本の内容、その後世界がどう変わったか、エピソードなど。コラムで、関連する本なども紹介しているよ。アッシ的にはこのコラムは大変参考になったけど。っていうか本文よりよかったかも。

科学的な内容で、アッシが面白いと思ったのは、ユクスキュルの『生物から見た世界』。

動物たちはみな、それぞれ独自の環境を持っている。動物を取り巻く時間や空間は、物理学が説明するように一意的に決定されたものではなく、動物によってすべて違う。
という「環世界」という概念。主体にとって、意味のあるものだけが、実在する環世界なのだということ。そう、人間にとっての環境ではなく、それぞれの生物に環境があるわけで、人間にとって良い環境であっても、他の生物にとって良い環境とは限らないわけだよね。

そして、どの著者にも共通するのが、「アウトリーチ(啓発・教育)」という考え方。学者(専門家)を読者と想定せずに、一般の人たちにも広く読んで貰う為に本を書く。例えば、ファーブル。

ファーブルもユクスキュルも、その著作には無味乾燥な記載が驚くほどない。読者にとってまったく初めて出会う生き物であっても、親しみやすく上手に描写されているのである。これは科学を興味深く伝える際に、書き手にとって大変重要な心得である。
と。筆者自身もそういうスタンスで本を書いているみたい。

これから、科学本を読んでいこうと考えている読者には入門として、いいかも。ただ、アッシのような科学本を読みなれている人間には物足りない内容かも。そういう意味で、コラムと参考図書の欄は、今後の読書生活の参考になりました〜。

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