断る力/勝間和代
『断る力』を読んだよ。タイトルが秀逸。
また、勝間和代。売れていそうなので、ついつい手が出る。そういう本の読み方は良くないなぁ〜。
でも、勝間さんにしては、割りと素直に読める本。同じことを繰り返すことが多いけど、それはそれで復習になって、いいかも。
ひとまず、「断る力」とはなんぞやということを知りたければ、第1章の総論だけを読めばいいかも。第2章以降はどちらかというと手法の話。
その総論。「断る力」とは主体性を持つこと。人に言われた仕事をもくもくとこなすだけではコモディティに留まり、スペシャリティには成れず。コモディティのままでは、いつまでも人から指示された仕事しかできないよね。キャリアを考えたら、やっぱりスペシャリティにならないと。そのためには、「断る力」が必要。
でも、日本人的には「断る」って難しそう。特に同調意識が強いから、一人だけ断るっていうのが、協調性がないとかという目で見られがち。ここでも「世間」が蔓延っているよね。
そんな中で、じゃ「断ること」のメリット・デメリット、逆に「断らないこと」のメリット・デメリットを考えていくと、それほど、「断ること」のデメリットは感じられないし、克服できるものであることが分かってくる。
そして、第2章以降。
まずは、自分の揺るぎない軸を持つということ。冒頭の主体性の部分。ここでは、「自分の得意・不得意が何か、明文化すること」がポイント。まさにドラッカーのいう「強みを生かす」と同じだよね。不得意分野に注力したって、時間の無駄。ましてや、人を羨ましがったりしたってしょうがない。自分の能力を生かしてこそ、組織としての成果が出せるんだからね。
そして、覚悟すべきこと。
◎私たち自身が自分の「コーチ」をする以外の選択肢は、実質的には存在しないアッシの思っていたことと同じ。だからこそ、主体性だよね。
ということなのです。なぜなら、しょせん、
◎他人が私たちに言ってくれることは、ノイズ混じりで、適当で、無責任
だからです。
さらに、応用編。
単純に「断る」のではなく、「よりよい方法を提案する」こと。勝間さんは「インセンティブの調整」と言っているけれども、アッシ的には「ウィン・ウィンの関係を築く」と言ったほうがピンと来る。アッシの上司のよく言う言葉がこれだから。アッシ的には、この応用編が気に入ったかも。
最終章では、社会的に見て「断る力」の重要性を説いているよ。「断る力」は「世間」を崩壊させる力になるのだと、アッシ的には読み解いたけど、勝間さんも「世間」の強靭さは十分に認識しているようだよ。
「断る力」vs.「世間」。アッシ的には注目の1本勝負です〜。
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