入門 組織開発/中村和彦

入門 組織開発 活き活きと働ける職場をつくる (光文社新書)』を読んだよ。やっぱりY理論。

夏休みの宿題をやる中で、参考文献として紹介されていた本書。新書だけど、内容も質もよいということだったので、手にとってみる。もちろん、テーマにも興味があったわけで、組織というものを、ハード的にもソフト的にも考えてみたかったから。

そして、本書に書かれていることは、ハードとソフトの両面だけれども、やっぱり重要なのはソフト。組織開発といっても、組織の構造とかについては、ほとんど言及していないということもあるから。いや、ハードといえば、組織構造の他に制度などもハードと言える。それでも、やっぱりソフトが重要。特に、人と人、人と組織、組織と組織の関係をどう築いていくかが基本的なテーマになるような。筆者は、

前述したように、組織開発で変革する対象は、プロセスという人間的側面(ソフトの側面)であるとしていました。そういう意味では「ヒューマンプロセスへの働きかけ」が最も組織開発らしく、組織開発の歴史もそこから始まっています。
と言っているよ。ここでは、ヒューマンもプロセスも重要な概念なんだよね。さらに、
組織開発での究極的な問いは、「あなたはどのような職場や組織をつくりたいのか?」、さらに絞り込むと、「あなたはどのような関係性が育まれている職場や組織をつくりたいか?」ということだと私は考えています。
とも。組織という箱は柔軟性に欠けるわけで、それをヒューマンプロセスというソフトで対応していくんだよね。

もう一つの注目点。それは、ポジティブな面に着目するAIという組織開発アプローチのこと。問題点を課題として解決することは重要だけど、悪い方に目を向けてばかりだと、ストレスフルに陥る。だから、

組織の健全性が高まるには、できていないこと(問題やネガティブな側面)に目を向けるだけではなく、できていること(ポジティブな側面)にも目を向けることの重要性をAIは教えてくれます。
と筆者。副題の「活き活きと働ける職場をつくる」って、まさにこういうことを言っているんだろうね。あっ、これがY理論か。

入門 組織開発 活き活きと働ける職場をつくる (光文社新書)
中村 和彦
光文社 (2015-05-19)
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