オリエント急行の殺人/アガサ・クリスティー

オリエント急行の殺人 (クリスティー文庫)』を読んだよ。誰もが犯人を知っている。

本書も既読。やっぱり、高校生くらいかな…。ミステリーにハマった時期があったから、当然にして、手に取ったのだと思う。そして、当時も読む前から犯人を知っていた。自分が知っていたということは、当時の世間の人たちの多くが知っていたということで、こういうミステリーも珍しいよね。

そして、犯人を知っているのにどうしてこのミステリーを読むのか?自分的には、ポアロの論理的な思考を追うことの楽しみとか、その鮮やかな解決というか…。そういう魅力があるんだろうね。
そのポアロの魅力とはなんだろう。一つは観察力。いや、よく見ているわ。もう一つは記憶力。人が言ったことをしっかりと記憶しているってこと。そして、それらを繋げていく。まるで、データベースの幾つかのテーブルをJOINしていくイメージか?

では、このミステリーの魅力はなんだろうか?犯人の意外性も去ることながら、自分的には2つの解決方法をポアロが提示したことではないだろうか。頭が硬いガチガチ人間ではなく、それこそ、名探偵ができることがそれだったのかと思うよ。

最後に。このミステリーでは、様々な国の人々が登場する。だから、それぞれが特徴づけられているのも楽しい感じ。例えば、

ここで初めてアメリカ人らしい声になった。
とか、
わたしはああいうタイプのイギリス人というものを知っています。
とか。何となく分かるので、それもそれで楽しかったりする。まさに国際的な豪華列車の旅というものは、そういうシチュエーションなんだろうね。
あぁ、列車ミステリーという魅力があるのを書き忘れた~。

オリエント急行の殺人 (クリスティー文庫)
早川書房 (2012-08-01)
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