おとなの教養/池上彰

おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書)』を読んだよ。リベラルアーツブーム。

いつもの池上彰氏の教養本だけど、単に知識を得る為ではなく、そもそも「教養とは何か?」をそれぞれの教科の観点から事例を取り出して解説し、本書のテーマに沿ってまとめたもの。以前から読みたい本リストには入っていたんだけど、今回、この続編が出たみたいなので、慌てて手に取ったというわけ。

早速だけど、池上氏の教養の定義。

それは「自分がどういう存在なのか」を見つめていくことなのではないでしょうか。「自分自身を知る」ことこそが現代の教養だろうと私は思います。自分はどこから来て、そこに行こうとしているのか。この場合の「自分」とは、文字通りの自分のことでもあるし、日本人あるいは人類のことでもあります。
ここで言う「自分」とは人類って考えた方が分かりやすいかもしれないね。あまり自分自身を考えてしまうと小さな話になってしまうし。もうひとつ、「自分はどこから来て、そこに行こうとしているのか。」は本書に通底するテーマ。それを考えるために、「知る」ということが必要になってくるんだよね。

そして、リベラルアーツ(自由七科)。池上氏は「現代の自由七科」を、「宗教」、「宇宙」、「人類の旅路」、「人間と病気」、「経済学」、「歴史」、「日本と日本人」と定義し、それぞれについて講義する。

そのうちで、自分的に合点がいったのを幾つか紹介。ひとつは「経済学」から、

つまりマルクスは、資本主義が持っている法則を読み解いた上で、その法則に従えば、最終的には資本主義は限界に達して社会主義が樹立されると考えたのです。
というもの。それでも、マルクスはその具体的な手法については言及していないとか…。それが社会主義の課題だったのかも…。

もう一つは「歴史」から、

ですから、私たちが学んだ歴史は言ってみれば氷山の一角で、実はそれ以外にも知られざる歴史がたくさんあるということを、常に頭の隅にとどめておいてほしいのです。
というもの。よく「勝者の歴史」っていうけど、まさにこれだよね。客観性を求めれば、敗者の歴史も、第三者の歴史も必要になるはずだよね。

さて、これだけで「自分はどこから来て、そこに行こうとしているのか。」が分かったとは思えないけど、これらの知識をベースに自分の頭で考えないといけないね。

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