日本人の教養/中嶋嶺雄

日本人の教養 混迷する現代を生き抜くために』を読んだよ。秋田発、教養とは何か。

筆者は国際教養大学の前理事長・学長である中嶋嶺雄氏。残念ながら数年前に亡くなられたけれども、その精神は今でも受け継がれていると聞くよ。その中嶋氏が、国際教養大学での実践例を中心に、現代社会を生き抜くために必要な日本人の教養とは何かを熱く語る。
そう、ここでは「現代社会を生き抜く為の教養」というキーワードに焦点を当てる。それは端的にいうとグローバルな教養ということ。グローバル化された現代社会という大前提があるからね。

では、中嶋氏がどんなことを具体的に言っているか。
まずは、アイデンティティと個性について。

逆に、外国人から見れば、ある国の人のアイデンティティというのはすでにその人の個性の一部で、アイデンティティがはっきりしない人はどこの誰だかわからない人なのです。日本人でいながら日本の伝統や歴史や宗教についてほとんど認識がなく、アイデンティティも不明だということでは、国際人として通用しません。
と中嶋氏。まずは、日本人としてのアイデンティティが必要だということ。これは個性の一つだけど、その人の個性の基盤となるものかもしれないね。グローバル社会においては特に。

もう一つは、言語と文化について。

外国語とは、単語や文法といった言語上の知識の集合体とも言えますが、外国語を知ることは単に言語を知るということ以上に、その言葉を通じて外国の文化や考え方に直接触れられることに重要な意味があります。外国語の知識は文化に直結していますから、その外国語が使われている世界をそのまま吸収することができます。
と、言語と文化は一体化するものと言っているよ。だから、言語を学ぶことは重要なんだよね。そして、それを国際教養大学で実践しているというわけ。

後半は中嶋氏の個人的な話が増えてきて、ちょっとテーマから外れつつあったけど、前半だけでも充分な内容。やっぱり、国際教養大学に行ってみたいなぁ〜。

日本人の教養 混迷する現代を生き抜くために
日本人の教養 混迷する現代を生き抜くために中嶋嶺雄

朝日新聞出版 2011-11-18
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