東京に暮す/キャサリン・サンソム
『東京に暮す―1928~1936 (岩波文庫)』を読んだよ。日本人は変わっていないなぁ~。
イギリス人のキャサリン・サンソム夫人が1928年から1936年まで日本に住み、日本人の様子を観察した記録。「東京に暮す」となっているけれども、特に東京に拘るわけではなく、日本と日本人全般について語っているよ。後半は温泉場とか上高地とかまで出てくるし。
1928年から1936年といえば、ちょうど昭和一桁。西洋化が進み、自信を付けてきた日本人に戦争の足音が聞こえてきつつある時代。世相はそんな感じだけど、素の日本人はまさに愛すべき日本人。それをサンソム夫人は素直に表現しているよ。
では、サンソム夫人は日本人をどう見ていたのか。まずは、女性に対する評価。
女性が母のように優しく献身的であるということは日本の社会にとって測り知れない貴重な財産であり、今日近代社会の必要に迫られて女性たちが家庭という狭い枠の外に出るようになったのは嬉しいことです。とあらゆる賛美を捧げているよ。そう、これは現代日本でも変わらない点かな。優しく献身的な女性の社会進出はさらに進んでいるし。今の日本をみたら、夫人はさらに評価してくれるような…。
さらに女性に関連して、
女性が法的にも慣習上も男性に従属しているのに不当に低くみられることがないのは、日本人がもともと優しくて陽気だからです。とも。ここでも、ポイントは「優しくて陽気」ということ。優しいというのは分かるけど、陽気というのも本当かもしれないね。そもそもプラス思考なんじゃないかな…。
もう一つはおもてなしの心について。
日本人がお客を大いにもてなす理由はいくつか考えられますが、その第一は日本人が親切で寛大な国民だということです。彼らは実に気前がよく、時間とお金と配慮を惜しみません。という。その理由もユニークで、「自分たちも楽しむため」であると。それは宴会好きという表現にもなっていくけど。うん、確かに宴会好きかもしれないけど、外国人と比較したことがないからなぁ~。
ともあれ、日本人を第三者の立場で見てみると、面白いことに気がつくんだよね。やっぱり、日本人っていいよね。
東京に暮す―1928~1936 (岩波文庫)
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