学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇/池上彰

学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫)』を読んだよ。これがあるから今がある。

池上彰氏の東工大講義シリーズの第3弾。第1段は既読だけど、間違えて、第2弾を読み飛ばしてしまったみたい。まぁ、順番はあまり関係ないと思うけど。ということで、今回は国際編。となると、池上氏の『知らないと恥をかく世界の大問題』シリーズと何が違うのかという素朴な疑問がないわけではないけれども…。

まずは気になるのがこのタイトル。「学校では教えない」ってところがミソで、3学期になって時間切れで現代史はスルーすることが多いけど、もう一つの要因は、定説になっていないということ。なるほど、流動する社会でいい加減なことは教科書に書けないっていうわけね。じゃ、我々は池上さんの本でしか、勉強できないってわけか…。

一番大きなテーマは東西冷戦。うん、世界的な影響が大きいからね。そして、ソ連の崩壊とプーチンの独裁。社会主義繋がりで、中国。その中国と日本、台湾の関係も微妙なわけで、それを象徴するのが尖閣諸島の問題。中国、台湾とも尖閣諸島は台湾に属するという見解。さらに、中国は、

しかし、「台湾は中華人民共和国の一部である」から、尖閣諸島は中国のものである、という論理なのです。
という論理展開なのだと。ビックリ。論理としては正しいんだろうけど、前提条件が間違っているような…。

そして、中東問題。

ただ、国際社会は、イスラエルのこの行動を国連決議に反したものだと判断し、 エルサレムイスラエルの首都としては認めていません。 大使館は相手の国の首都に置くものですが、日本を含め各国ともエルサレムには大使館を設置していないのです。
これで分かった。最近のニュースでアメリカ大使館がエルサレムに移転したことが注目される理由が。事情を知ることでニュースを興味深く見ることができるよね。

最後は池上氏のこんな言葉。

自国の都合で 他国に手を突っ込むと、結局は自国に難題が降りかかることがある。各国とも、これを繰り返してきたのです。こうした 愚かな歴史を知ることで、少しでも失敗を繰り返さないようにする。これが、現代史を学ぶ意味なのです。
そう、世界の現代史を最も学ぶべきは世界のリーダーたちなんだろうね。
学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫)
学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫)池上 彰

文藝春秋 2015-11-10
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