知らないと恥をかく世界の大問題9/池上彰
『知らないと恥をかく世界の大問題9 分断を生み出す1強政治 (角川新書)』を読んだよ。世界の潮流は右往左往。
いつの間にか名城大学教授の肩書を持つようになった池上彰氏。有名な東工大は特命教授だったのか…。それにしても、いろいろな肩書があるんだね。それはさておき、本書は「知ら恥シリーズ」(出版社が今回から命名したみたい…。)の第9弾。もう9冊目か…。9冊とも読んでいるけれども、やっぱり、中東問題はよく分からないというのが正直なところ。アメリカ、ロシア、中国、EUはなんとなくイメージがつくんだけどね。
で、今回は読んでいておやっと思うことあり。それは、池上氏の意見というか主張がチラチラと見え隠れするから。それは、あのトランプに対する批判的な視点。例えば、
トランプは、国際的な枠組みに入っていないと自国に不利になるということをどうやらようやく理解し始めたようです。とか、
トランプは「テロとの戦い」などと言いながら、世界中のアメリカ人を危機にさらしたことになります。とか。今までは中立的なジャーナリストの立場が強かったんだけど、どうもトランプに対しては、そのタガが外れるというか…。そんな印象があるよ。
ただ、トランプのような自国ファーストについては、世界の潮流的な側面があるので、それに対しても全面批判モード。イギリスのEU離脱にしても、スペインのカタルーニャ独立運動にしても、
「自分さえよければ」という行動が、回り回って自分たちにダメージを与えることがわかったのです。と。自分ファーストって、結局いいことはないよね。一時的な受けはいいので、選挙にはもってこいの戦略なんだろうけど。
そして、この流れについて、
近年、世界は自分の国さえよければいいという“バラバラになるベクトル”が働いていましたが、むしろ「それではいけない」という働きがこれから先は出てくるのではないかと思っています。との見解。そう、この揺り戻しは意外に早い展開になるかもしれないね。世界の動向が早過ぎるのが最大の問題のような気がするな…。
知らないと恥をかく世界の大問題9 分断を生み出す1強政治 (角川新書) | |
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