新しい道徳/北野武
『新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか (幻冬舎文庫)』を読んだよ。道徳も変化する。
筆者は北野武。だから、この題名もアヤシイ感じがするし、副題の“「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか”はもっとアヤシイ…。でも、読んでみるとその内容はいたってまともというか、正鵠を射ることを語る北野武。
では、どんなことを語っているのか。
冒頭で結論を言うのも北野武らしい。
「道徳がどうのこうのという人間は、信用しちゃいけない」と。そう、いきなり殴り込みか?って感じだよね。
それ以降は、なぜそう思うかということについて、その思いの丈をぶつけ続ける。
大人が心にもないことをいっている限り、子どもには伝わらない。道徳っていうのは、そういうものだと思う。他の教科のように、理屈で教えられるものではない。とか、
自分がわからなくなっているのに、子どもには相変わらず昔ながらの道徳を語る。それがそもそもの間違いの元だと俺は思う。とか。基本的に「道徳って何?」って分かっている人がいるのだろうか…ということ。だから、自分で考えるのが道徳であり、人に押し付けられるものではないってことだよね。
最後に。
子どもはなんだかんだいって、親や学校に教わった道徳観の下で生きている。大人になるということは、その誰か他の人が作ってくれた道徳の傘の下から出て、自分なりの価値観で生きる決断をすることだと思う。そう、これは極めつけだと思う。だから、人によって道徳が違うし、時代によって変わっていくものなんだろうね。道徳について、久しぶりに真剣に考えたなぁ〜。
新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか (幻冬舎文庫) | |
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